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INTERVIEW

島田歌穂さん《後編》「振り返るとずっとそこには歌があった」

昨年、デビュー45周年を迎えられた島田歌穂さん。ミュージカル『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役で脚光を浴び、エリザベス女王御前コンサートにも出演。以降、数々の作品で活躍し、現在は大阪芸術大学教授として後進の指導にも力を注いでいます。島田さんの45年を振り返り、デビュー45周年記念アルバム『Slow Ballade おとこごころ』や2021年6月開催の『Musical, Musical, Musical!! vol.2』について、コロナ禍の中で感じたことなどをお話いただきました。

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1回1回の公演が奇跡の重なり

――コロナ禍で様々なエンターテインメントが中止を余儀なくされた今年。島田さんは2020年4月公演予定の『VIOLET』の稽古中に、コロナ禍による自粛期間に入られましたね。

当初は3月に上演予定だった『VIOLET』が日程を組み直し、新しい日程で明日劇場入りというところで「延期です」と言われました(※9月に3日間限定で上演された)。そこから、次々とスケジュールが中止・延期になって……。大学の授業は5月からオンラインで再開しましたが、仕事は週1日のオンライン授業だけ。それ以外はずっとステイホームでした。自分ってなんて無力なんだろうと突き付けられて、かなり落ち込みましたね。
こういう状況になると一日一日をどう無事に生きていくかということで、芸術は二の次三の次になってしまうのはやむを得ないと思いました。そんな中でもちょっとずつアーティストの方々がオンラインで発信されるようになって。私も、宮本亞門さんの「上を向いて~SING FOR HOPE プロジェクト(LOOK UP TO THE SKY)」など、自分ができることをちょっとずつ参加させていただきました。

――自粛期間を経て、島田さんが最初に出演されたのが『ナイツ・テイル in シンフォニックコンサート』です。

自粛期間は人が少ない道と時間帯を選んで島健と二人でウォーキングしていたくらいでまったく外出していませんでしたから、最初のリハーサルのときはドキドキしましたね。でも安全を確保した上で、できることからスタートしていかないといけないんだなと思いましたし、プロデューサーや(堂本)光一さん、(井上)芳雄さんが「やろう!」と引っ張って下さって、本当にありがたかったです。劇場に入って、オーケストラがオーバーチュアを演奏するのを客席で聞いて、涙が出ました。「あぁ、私はこの空気の中で育ってきたんだ。この中で生きてきたんだな」と思いましたね。
1回上演するごとに「今日もできたね」「明日も頑張ろうね」とみんなで声を掛け合って。お客様が無事に劇場にたどり着いてくださって、何事もなく公演を終えることが、奇跡の重なりだったんだと改めて感じました。今までも全身全霊で演じてきたつもりでしたが、1回1回を大事に演じなければと改めて心に刻みましたね。

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女優冥利、歌手冥利に尽きる作品

――次回、島田さんがご出演される『モンテンルパ』は、戦後フィリピンの刑務所に収容された日本人戦犯たちを解放するきっかけとなった歌『あゝモンテンルパの夜は更けて』を歌った渡辺はま子さんの実話を基とする物語。島田さんは渡辺はま子さんを演じます。この作品のチラシには「絶望を希望に変えたのは、音楽の力だった――」とありますが、今こそこの言葉が必要な時期が来ている気がします。

この作品の企画やテーマが立ち上がったときはコロナ禍の前でしたから、今、この時にリンクするコンセプトで上演されるのは本当に不思議な巡り合わせだなと思います。
渡辺はま子さんのヒットソングはもちろん存じ上げておりましたが、こんな重要な使命を果たされた方なんだということを出演のお話をいただいて初めて知って、びっくりしました。この作品からどれだけのものを学ばせてもらえるのかと、今からとても楽しみにしています。今回は多くの楽曲を取り入れて、歌とお芝居と真っ向から取り組める作品だと思うので、女優冥利、歌手冥利に尽きると思っています。

――さらに、2021年6月17日には『Musical, Musical, Musical!! vol.2』が山崎育三郎さんをゲストに迎えて、オーチャードホールで開催されますね。これは、2020年7月の日程が延期となって開催される公演です。

こちらから音楽をお伝えするだけでなく、お客様にも参加していただくコンサートで、vol.1は海宝直人さんをゲストにお迎えして開催しました。最初はミュージカルの名曲をたっぷりお届けして、ミュージカルの魅力について少しお話した後は、会場の皆さんと一緒に発声練習をして、最後は全員で大合唱。「一緒に歌えるのが楽しかった」「ぜひまた行きたい」というお声をいただいたんです。
第2回は山崎育三郎さんをゲストにお迎えして、オーチャードホールで開催する予定でしたが、コロナ禍のため2021年に延期とさせていただきました。来年6月がどのような状況になっているかわかりませんが、もちろんお客様の安全を第一に考えて、そのときにできる精一杯の形で皆さんに参加していただきながら心に残るコンサートをお届けしたいと思っています。

取材・文/演劇ライター・大原 薫
撮影/吉原朱美


島田歌穂(Kaho Shimada)
1974年、子役デビュー。87年、ミュージカル『レ・ミゼラブル』で脚光を浴び、出演回数は1,000回を超えた。同作の世界ベストキャストにも選ばれ、英国王室主催のコンサート「ザ・ロイヤル・バラエティ・パフォーマンス」に出演。参加したベストキャストアルバムが米国にてグラミー賞を受賞するなど国際的にも高い評価を得る。
他の主な出演作品は『ウエストサイド・ストーリー』『黙阿弥オペラ』『江利チエミ物語』『飢餓海峡』『ビリー・エリオット』『メリー・ポピンズ』『ナイツ・テイル』など、ミュージカルからストレート・プレイまで幅広い。
他にもディズニー映画『美女と野獣』『メリー・ポピンズ リターンズ』にて吹替を務める。
芸術選奨文部大臣新人賞、紀伊國屋演劇賞個人賞、読売演劇大賞優秀女優賞など受賞多数。大阪芸術大学教授。

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Information

舞台『モンテンルパ』

公演日:2021年1月23日(土)〜1月30日(土)
会場:東京芸術劇場シアターウエスト

島田歌穂 Musical,Musical,Musical!! vol.2

スペシャルゲスト:山崎育三郎
音楽監督:島健/演奏:島健&The Happy Fellows
公演日:2021年6月17日(木)19:00開演
会場:Bunkamuraオーチャードホール

アルバム『Slow Ballade ー おとこごころ ー』

昨年(2019年)デビュー45周年を迎えた女優・歌手の島田歌穂が、これまで舞台などで培ってきた表現力の豊かさ、幅広さを活かしたセルフプロデュースのカバーアルバムを発売。
楽曲は、山下達郎『FUTARI』、尾崎豊『I LOVE YOU』、平井堅『瞳をとじて』 、秦基博『ひまわりの約束』、桑田佳祐『月』などいずれも名曲揃い。

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