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INTERVIEW

東 啓介さん《後編》「存在意義を示していきたい」

「ダンス オブ ヴァンパイア」「ジャージー・ボーイズ」などミュージカルで活躍する若手俳優の東啓介さんが11月、自身初となるミュージカルコンサート「A NEW ME」を開催する。これまで出演した作品はもちろん、初挑戦のミュージカル曲も満載というコンサートを前に、ミュージカルへの熱い思いや今後の目標を聞いた。

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稽古中に大号泣したことも

――11月28日に予定されている初のコンサートについて伺います。まずはコンサートをやろうと思った理由を教えてください。

新型コロナウイルスの流行がなかったら、もう少し早くやろうと思っていたんです。ミュージカルコンサートを一度やりたかったので。今まで携わったことのないミュージカル作品にも、歌いたい曲がいっぱいあって。そうした曲を聞いてもらいたいという思いでやらせていただきます。
なにしろ、とてもいいセットリストなんです。ほぼ歌ったことのない曲ですから、覚えないといけないことがたくさんあって大変です。楽曲の研究もするので、準備の時間はかかりますね。ぼくが1曲、1曲にどう思っているかを感じていただければと思います。その辺をトークで説明したいんですが、いかんせん曲数が多くなると思うので、思いを語りつつ次の曲にいかないと間に合わないかもしれません(笑)。

――「マタ・ハリ」など、出演作からの曲も歌いますよね。思い入れの強い曲は?

「マタ・ハリ」の「普通の人生」は本当に聞いてもらいたいです。2年半前にぼくが歌ったときとはまったく変わってると思うので。あのときよりは、少し自信がつきました。
「ダンス オブ ヴァンパイア」からも、「サラへ」を歌う予定です。高音もあって、中音もあって、歌詞も切なくて好きな歌です。「サラ」って好きな人の名前で終わる歌はなかなかないじゃないですか。かわいいな、と思います。まっすぐな思いが伝わってきて好きです。実際には、あんな反抗期みたいなアルフレートは今までいなかったと(演出の)山田和也さんに言われたんですが(笑)。
アルフレートは過去、有名な俳優さんたちが演じていらっしゃるだけに、自分の色を意識したんです。絶対違うものにしようと思って。確かに、かわいいと言われる役ですが、人間ってかわいいだけじゃない。この子はどういう子なんだろう、毎回振り回されているけど、本当はどう思っているんだろう、(教授に)歯向かうときも1回はあったんじゃないか、あれだけ一緒にいられるんだから、反抗心を表に出しても良い関係なんじゃないか、と思ったんです。

――役作りにあたっては、演出家とたくさん話をするタイプですか?

します、します。稽古中にものすごく話しますね。「ぼくはこう思っているんです」というのはしっかりと伝えます。「そうは見えない!」と言われちゃうこともあるんですが(笑)。
石丸さち子さん(「マタ・ハリ」などの演出を担当)と出会って、ベースができていないとまったく動けないことを思い知ったんです。人とのかかわり、役とのかかわり、舞台上で誰かと近づくにしても、恋人ならどう近づく?と、関係性をきちんと考えて役を作っておかないと、何をするにもぎこちなくなってしまいます。
同じ石丸さん演出の「5DAYS 辺境のロミオとジュリエット」(2018年)に出させていただいたときは、稽古中に涙が止まらなくなったことがありました。稽古が止まってしまい、さすがの石丸さんもキレてしまって、それでも全然止まらなくて。幕が開いてからも、全部で30公演くらいあったんですが、感情が枯渇してしまう日がありました。やり続けるのが演劇というプレッシャーの中で、これは本当にしんどい体験でした。でも、そのつらさの中で心を動かし続けることが、できたときの喜びにつながる。お客さま、共演者の方々、スタッフさんがいなかったら乗り越えられなかったです。

――コンサートでは、日本未上陸のミュージカル「ディア・エヴァン・ハンセン」からの曲も歌うそうですね

はい。これは英語で歌います。初めてニューヨークに行ったとき、行く前に「ディア・エヴァン・ハンセン」を知り、楽曲のアルバムを聞いたんです。内容は分からなかったんですけど、全楽曲が「いいな」と思えるアルバムでした。ぼくはなかなか全曲良いとは思わないんですけど、本当に良かった。そこで、この作品を知ってもらいたいという気持ちもあり、「フォーエバー」という曲を歌う予定です。現代的な感じが素敵な楽曲です。

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――「A NEW ME」というタイトルにはどんな意味が込められているのでしょうか

「NEW」には、いろんな「新しい」を込めています。新しいものをつかみたいですし、未来の新しい自分にも出会いたい。今までやってきたことのない曲を歌うということも新しいですし、新しい自分を見つけたい、誕生させたいと思います。東は次の段階に行くんだよ、という意味も込めて、ぼくが考えました。

――2回公演ですが、内容は変わりますか?

ご覧になってのお楽しみですね(笑)!

――ファンの方も楽しみにしていると思います。

初めてのミュージカルコンサートということで、本当に力を入れて、皆さんに喜んでいただける楽曲を選ばせていただいたつもりです。東がこの曲を歌うんだ、この役を何年後にやったら今聞いた歌とどれだけ変わっているだろうか、と意外性や想像も楽しみながら見ていただきたいです。ぼくの歌を聞いたことのある方もない方も、ぜひ会場に来ていただいて、ぼくの思いを感じていただければと思います。

人間味のある役をやりたい

――初コンサートの夢もかなえて、今後、出てみたいミュージカルややってみたい役はありますか?

いっぱいあります。衝撃を受けた「レ・ミゼラブル」にも出てみたいですし、「ミス・サイゴン」「モーツァルト!」「エリザベート」「RENT」「デスノート」「フランケンシュタイン」…。いくらでも出てきます。
やってみたい役は、人間味のある役です。例えば、「モーツァルト!」のヴォルフガング・モーツァルトとか。天才なのに落ちぶれていく感じに、人間らしさを感じます。認められないくやしさにも共感を抱きますね。
ぼくは、どの役をやるにも人間らしさを見つけたがるんです。「ダンス オブ ヴァンパイア」でも、祐さま(山口祐一郎)のクロロック伯爵が、自分の生い立ちを長々と話して歌うシーンで、ヴァンパイアなのに人間味があるなぁと思っていました。

――ミュージカル以外でやってみたいことはありますか。今後の目標があれば教えてください。

今の時代って、役者に限らずさまざまな人たちが、いろいろな媒体を使って世に出られる時代ですよね。そんな中で自分の存在意義を打ち出していくのはとても難しいこと。ひとつの武器だけで、たちうちできる時代ではないというのを肌で感じています。
だから、ミュージカルに限らずいろんなことをしたいですね。ドラマや映画、バラエティなど、幅広いエンターテインメントに出られるように、そしてそこで皆さまの心をつかんでミュージカルにも足を運んでもらいたい。海外にも進出してみたいですね。そして、「日本の映画やドラマ、エンタメっていいね」と思ってもらえるような存在になるのが目標です。そうした経験を積み重ねることで、自分の存在意義というか、自分がこの作品に必要な存在なんだということを示していければ、やめずに続けてきて良かったと思えるんじゃないかと思います。

取材・文/道丸摩耶(産経新聞)
撮影/吉原朱美



東啓介(Higashi Keisuke)
7月14日生まれ、東京都出身。2013年デビュー。舞台『剣乱舞』など気舞台で活躍し、『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』『命売ります』『Color of Life』などの作品で主演を務める。 近年はミュージカル『マタ・ ハリ』『ダンス オブ ヴァンパイア』『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド汚れなき瞳』『ジャージー・ボーイズ インコンサート』などに出演し、ミュージカル界の新星として頭角を現している。

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Stage Information

東啓介 1st Musical Concert 『A NEW ME』

日時:2020年11月28日(土)14:00開演/18:00開演
会場:山野ホール
料金:S席7,500円

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