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COLUMN

【#1】韓国ミュージカル |加藤和樹の #だからKOREA

アンニョンハセヨ! 加藤和樹です。

韓国に興味津々の僕による新連載コラム、加藤和樹の『#だからKOREA』にようこそ! 10月の初めに同タイトルでPODCASTをやらせていただきましたが、こちらでも韓国のさまざまなアイテムについて僕の思いを綴っていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします!

第一回のテーマは『韓国ミュージカル』、やっぱりココから始めないとね。PODCASTを聴いてくださった方、また10月30日のイベントにいらしてくださった方には重複する話も出てくるかもしれませんが、僕と韓国ミュージカルの繋がりをあらためてお話したいと思います。

僕が韓国ミュージカルに興味を持ったのは……初めて韓国でミュージカルを観たのが2015年なので、その前、2014年くらいかな? ミュージカル仲間のあいだで「韓国のパク・ウンテさんという俳優さんがとにかくすごい!」と話題になって。それでウンテさんがルキーニ役で出ていた『エリザベート』の映像をネットで見たりして、その圧倒的な歌声にものすごく魅了されたんですね。それ以前にもミュージカル『テニスの王子様』の韓国公演や『日韓交流おまつり』というイベントで歌わせてもらったりで韓国には行っていたんですが、その時はそれほど韓国ミュージカルについて気に留めていなかったんです。 

2015年の8月に初めて韓国で『エリザベート』を観て、そのタイミングでウンテさんが出演された『ジーザス・クライスト・スーパースター』も観ることが出来ました。

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その時の『エリザベート』にトート役で出演していたチョン・ドンソク君と対談させていただいて、「俳優によって、トートの、死というものに対するアプローチの仕方が全然違う」という話を聞いて驚いたことはPODCASTでもお話しましたよね。え、じゃあほかの俳優さんのトートも観なきゃダメじゃん、と思ったと(笑)。ドンソク君のトートは、死として存在しているのにどこか明るい感覚もあって、歌の力、表現の力がめちゃくちゃエネルギッシュだったことにびっくりして。その時のエリザベートはオク・ジュヒョンさんで、やっぱりものすごくエネルギーに溢れていて、コレ簡単には死なないよね?って感じでした(笑)。ちょうどその直前に日本の『エリザベート』を観ていたので、演出や俳優の表現の違いにすごく驚いたことを覚えています。

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観客席の雰囲気も、老若男女問わず、家族で来ていたりして、ブロードウェイなどと同じようにちゃんとエンターテインメントとして根付いているんだなっていうのを強く感じましたね。終演後には、ありがたくもいろんな俳優さんにご挨拶させていただいて。『シラノ』ではホン・グァンホさんに、『マタハリ』と『ファントム』を観た時はKAIさんにお会いしました。もちろん『マタハリ』ではオク・ジュヒョンさんにも! 

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皆さん、大変な作品をやり終えた後なのに疲れも見せず、とても明るくてフレンドリーなんですよ。「日本から来てくれたんだ~」みたいにあたたかく接してくださったのが印象的でしたね。

ウンテさんにご紹介いただいて僕が韓国でボイス・トレーニングを受けていることも、結構いろんなところで話していますよね。日本で受けるレッスンとはまったく違って、椅子に座って、とにかく脱力して、「何も考えなくていいから、私の後に声を出してください」といったレッスンです。「ここに来る人は皆、座って足を組みながら、携帯とか見ながらやってるんだよ」って……そんなレッスン、日本だったらありえない(笑)。つねに座った状態でレッスンするなんて、どういうことだろう!?と衝撃を受けて。

日本でのレッスンではだいたい、自分が今やっている作品の歌について「ここはこう歌う」といったレッスンをするんですけど、韓国の先生のレッスンでは作品の曲は歌わない。オペラやカンツォーネの課題曲が100曲くらいあって、その課題曲をひたすら、いろんなキーで歌っていくんです。イタリア語の歌詞だったりするので、それを歌うことで口の奥の部分、軟口蓋の開き方などを学んでいくんですね。一曲通してずっとそうやっていくと、自然とその口の開け方になっていって、それは画期的なことだなと。歌の練習じゃなく、あくまでボイス・トレーニングなんだと実感しました。

海を渡ってまでレッスンしに行くのは、自分にそれが必要だと感じているからだし、どうやったら韓国の俳優さんたちみたいな響きが出せるんだろうか、少しでもそこに近づきたいという気持ちがあるからなんですよね。そもそも日本語がミュージカルに向いていないという話はよく聞くけど、我々は日本人なわけだから、日本語だからこそ伝わる歌を、芝居をなんとか届けたい……つねにそう考えます。

僕が経験した韓国ミュージカル、『フランケンシュタイン』や『マタハリ』、『ジャック・ザ・リッパー』もそうですけど、歌が素晴らしいのはもちろんですが、歌だけでは伝えきれない芝居の繊細さ、日本のミュージカルはそこを重要視していると感じています。日本人は、圧倒的な歌声にももちろん惹かれるけど、ちゃんとお芝居を観たい。芝居心を徹底して追求していく、そこは日本のミュージカルの良さだと思いますね。『フランケンシュタイン』の初演時にはウンテさんや演出のワン・ヨンボムさん、作曲のイ・ソンジュンさんなど韓国のカンパニーが揃って観に来てくださいました。

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ウンテさんに「素晴らしかった。よくやったね」と言っていただいたのは嬉しかったですね。韓国のカンパニーの皆さんに、日本にも素晴らしい役者さんがいっぱいいて、負けてないぞ~(笑)というところを少しでも見せられたんじゃないかなと思っています。

このようにして韓国ミュージカルにいろいろと縁の出来た僕ですが、今の課題は…、そう、イベントでもお話しましたが、演劇街・大学路(テハンノ)を訪れること! 小劇場が100以上も集まっているというアジアのブロードウェイ、大学路で、ぜひオリジナル・ミュージカルを観劇したい! 一週間から二週間くらい滞在して、毎日いろんな作品を観たい…というのは叶わぬ夢だろうけど、三日くらいなら行けるかな(笑)。なる早でその機会が訪れることを願っていますね。まだまだ魅力を探っていきたいです。

そして、ミュージカルのほかにも韓国で気になるものはたくさんあります! 次のコラムテーマは……やっぱり食ですかね!?  今後も、僕の好奇心にどうぞお付き合いください。次回もお楽しみに♪

聞き手/上野紀子(演劇ライター)
写真提供/アシスト


加藤和樹(KATO KAZUKI)

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album『Rough Diamond』でCDデビュー。毎年CDリリースや日本武道館他日比谷野外音楽堂など毎年単独ライブや全国ライブツアーを開催するなど、音楽活動を精力的に行っている。2009年からは韓国、台湾、中国でCDデビューを果たし、上海や北京、韓国でもライブを行ない雑誌の表紙などを飾るなど海外にも活動の場を広げる。俳優としてはドラマ・映画・舞台のほか、最近ではミュージカルや声優としても活躍している。
2021年4月アーティストデビュー15周年を迎え、『ローマの休日』ジョー・ブラッドレー役、『BARNUM/バーナム』フィニアス・テイラー・バーナム役の演技に対して第46回(2020年度)菊田一夫演劇賞受賞。2021年12月ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター北斗の拳』にトキ役で出演、2022年2月-3月『冬のライオン』に出演が決定している。
一発録りでライブ感満載に仕上げたベストアルバム『KKベストセラーズll』をリリース、11月14日から全国ツアーに挑む。

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韓国観光公社Information

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PODCAST

ニッポン放送×マチ★ソワWEB
「加藤和樹の#だからKOREA」

番組URL
https://podcast.1242.com/show/machisowa/

Podcast(ポッドキャスト)は、無料でダウンロード可能。
WiFi環境でない場所でもいつでもどこでも聴けます!

vol.1 韓国ミュとの出会い
vol.2 出演した韓ミュ♪エピソード
vol.3 NEXT! 韓国でやりたいこと

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