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COLUMN

【#4】本場で聞いて驚いた「Waving Through a Window」(Dear Evan Hansen)|東啓介と聴活♪

ミュージカル『イン・ザ・ハイツ』の東京公演が間もなく始まります。この作品は、トニー賞という米ブロードウェイ(BW)の大きな賞で、2008年に最優秀作品賞を受賞したミュージカルです。BWはニューヨーク(NY)にあるミュージカルの本場。今は新型コロナウイルスの影響で劇場が閉じてしまっていますが、再開したらまた素敵な作品をたくさん生み出してくれると思います。

そんなBWでぼくが見たミュージカルが、トニー賞ミュージカル部門作品賞を2017年に受賞した『Dear Evan Hansen』でした。昨年のソロコンサートで、この作品の「For Forever」という曲を歌わせていただいたので、知ってるよ、という方もいらっしゃるかもしれません。

NYを舞台にしたミュージカル『Colar of life』(2019年4、5月上演)への出演が決まり、「現地を知らないと難しいんじゃないか」と急きょ決まったNY行き。半分お仕事でしたし、移動に時間が取られたこともあり、自由になる時間が全然なかったんです。でも、本場のミュージカルは見たいと思って、以前トニー賞の映像を見て気になっていた『Dear Evan Hansen』を観ることに決めました。幕が開いて割とすぐ出てくるのが、代表曲ともいえる「Waving Through a Window」。オリジナルキャスト版のサウンドトラックでフェイクを入れながら歌うのがすごく格好良くて。生で観てみたいと思ったんですが、BWでしかやっていないので、観る機会はまずないと思っていたんです。そこへ決まったNY行きでしたから行くしかないですよね! タイムズスクエアを歩いていると、大きな『Dear Evan Hansen』の広告があって、うわぁ、これを観に行けるのか、とワクワクしたのを覚えています。

向こうの劇場は、映画のように飲み物を飲みながら楽しめるし、お客さんの始まるぞという期待感が伝わってきて、すごく心地良い空間でした。曲が終わったときのスタンディングオベーションも派手! 「Waving Through a Window」は今まで聞いていた楽曲と違い、しゃべっているみたいだったので驚きました。つながりが自然で、胸にすっと落ちてくる感覚。時差ボケも吹っ飛んでしまいました。

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『Dear Evan Hansen』は、親しい友達がいなかった主人公のハンセンが、亡くなった同級生の親に「彼と親友だった」と嘘をついたことから、なりたかった自分の姿に近づいていこうとする物語です。ハンセンの嘘はおおごとになってしまいましたが、自分が他人からどう見られているのか、自分の考えは間違っているのか、と揺れ動く気持ちは誰にでもあると思います。若いからこそ他人に嫉妬もするし、嘘をついたことでなりたかった自分になれたら、うれしさとともに怖さも感じる。コンサートで歌った「For Forever」は嘘をついてしまう歌ですが、その前段階として、ハンセンが根っこに持っている気持ちを歌っているのが「Waving Through a Window」。メロディはもちろん、他人とうまくコミュニケーションが取れないハンセンが、自身の抱える葛藤や不安を吐露する歌詞がいいんです。ただつらい気持ちを歌うのではなく、自分を鼓舞しているように聞こえます。

作品を観終わった後、いつか歌ってみたいと、楽譜と台本とポロシャツを買いました。昨年のコンサートで夢がかないましたが、いつか「Waving Through a Window」の方も歌ってみたいです。

日本にいても、海外の作品を見る機会はたくさんあります。でも、海外で見ると、同じ作品でも日本とは舞台装置や客席の反応などが違います。コロナ禍で、今は海外に行くのが難しいですが、『ジャージー・ボーイズ』や『レ・ミゼラブル』のように、映画で見られる作品もあります。親しみやすいところから入って、もし好きな作品ができたら、ぜひ海外でも観てもらいたいです。

次にNYに行くときは、もう少しゆっくりしたい(笑)。吸収しようと思って行くと、硬いスポンジのままで何も吸収できないので。お昼まで寝て、公園を散歩して、夕方からミュージカルを観て…。そして、そこで素敵な作品と出合ったら、ぜひ皆さんに聞いてもらいたいです!

聞き手・道丸摩耶=産経新聞
撮影・三尾郁恵=産経新聞

♪今月のミュージカルソング

「Waving Through a Window」|『DEAR EVAN HANSEN』

東啓介(Keisuke Higashi)

1995年7月14日生まれ、東京都出身。2013年デビュー。舞台『剣乱舞』など気舞台で活躍し、『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』『命売ります』『Color of Life』などの作品で主演を務める。近年はミュージカル界の新星として頭角を現している。2020年11月にはファーストソロコンサートも開催。NTV「ウチの娘は、彼氏が出来ない‼︎」にイケメン整体師・渉周一役で出演し話題に。ミュージカル『イン・ザ・ハイツ』(神奈川・大阪・名古屋・東京公演)に出演。6月〜7月、ミュージカル『マタ・ハリ』でアルマン役に再び挑む。

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Stage Information

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ミュージカル『イン・ザ・ハイツ』

原案・作詞・作曲:リン=マニュエル・ミランダ
脚本:キアラ・アレグリア・ウデス
演出・振付:TETSUHARU

出演:Micro[DefTech] / 平間壮一(Wキャスト) 林翔太 / 東啓介(Wキャスト)
田村芽実 石田ニコル 阪本奨悟
エリアンナ 青野紗穂 エリック・フクサキ 山野光
戸井勝海 未来優希
田中利花

【神奈川】鎌倉芸術館 大ホール 2021年3月27日(土)〜3月28日(日)
【大阪】オリックス劇場 2021年4月3日(土)〜4月4日(日)
【名古屋】日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール 2021年4月7日(水)〜4月8日(木) 
【東京】TBS赤坂ACTシアター2021年4月17日(土)〜4月28日(水)

公演公式サイトはこちら

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