こんにちは! 小林 唯です。
2025年、最初のコラムになります。新しい年、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

昨年から僕が出演しているミュージカル『レ・ミゼラブル』、観ていただけましたか?
この作品は、音楽の力がとにかく凄まじく、毎回オーヴァーチュアが鳴り出した瞬間は、一気に劇場が一体となるような、例えようのない高揚感に包まれますね! 何か特別なことをしなくても、自然体で舞台にいれば作品の力が必ず良いものにしてくれるという安心感があります。稽古を重ねてきて、いよいよ実際にお客様の前で演じているわけですが、演出のクリスの「『第四の壁』を意識して何か魅せようとせず舞台上の芝居に集中してほしい」との言葉通り、舞台上で起こる事象に意識を向けています。

錚々たるキャストがそろう今回のカンパニーですが、作品に向かう緊張感がありながらもほがらかな雰囲気で、とてもバランスがいいんです。僕は100を出すためには直前の0が大事だと思っているので、始まる直前まではフラットにリラックスした状態でみんなと接するようにしています。マチネとソワレの間などで楽屋に僕と木内健人さん、岩橋 大ちゃんのアンジョルラス3人が揃った時は、みんなでひたすらわちゃわちゃしていますよ(笑)。マリウスやグランテールが遊びに来ることもありますね。
そんな和やかなカンパニーですが、本番が始まると、全員が尊敬するキャストばかりで、本当に刺激に溢れています。みなさんから演劇的なパワーをもらい、そして僕も与え、そのうねるようなエネルギーの流れの中に自分がいられることがとても幸せです!
■『Les Misérables』12/21(土)昼の部カーテンコール|TohoChannel
自然に癒されたお正月
僕は毎年、お正月は自分が住んでいる地域を護っている一番近くの神社、お寺に挨拶にいきます。その後、自分で作ったお雑煮を食べて落ち着いてきた頃、大きい神社に行ったりします。
今年伺ったのは、東京・代々木上原の代々木八幡宮。芸能や出世のご利益があるということでここだ!と思ったんです。有名なパワースポットですし、自然と静かになるような厳かな雰囲気でしたね。

僕の家の近くの神社も、すごく自然豊かな場所でよく散歩に行くんです。木や川、天候など森羅万象あらゆるものに神が宿っているという日本古来の考え方がすごく好きで。利便性を追求する現代の在り方からは掛け離れた、人と自然がもっと密接な関係にあった時代に生まれた考え方を大切にしたいなと思っています。自然の中で物静かに心を落ち着かせる時間はまさにGood Vibesです!
代々木八幡宮では、かわいい野良猫が、警戒心もなくのびのびと暮らしていました。やっぱり良い「気」が流れているんでしょうね。最高に癒されました……。
そして写真にもある御神木! 自然に宿るパワーも感じることができて大満足な時間でした。もちろんお参りもしましたよ! 願いごとは自分の力でかなえたいので、いつも願いごとではなく、今年の抱負を伝えるようにしています!内容は秘密です(笑)。


おみくじでは、大吉! 実は1回目は中吉たっだので2回引いちゃいました(笑)。やっぱり大吉がいいですもんね! おみくじには「天にも昇るように出世する」など、うれしい言葉がたくさん書かれていたんですが、侮るなというメッセージを全体から感じています。心して、おみくじに書かれているように「天に昇るように出世」できるよう頑張ります!
※編集部注:代々木八幡宮におかれましては、おみくじを引く回数の制限はなく個人の判断に委ねるそうです

そして、こちらが毎年恒例で作っているお雑煮です。
関西は白味噌と丸餅はマストです! こっくり濃いのが好きで白味噌はだいぶ多めに入れています。
初めて作った時は母親に作り方を聞いて挑戦しました。実家と同じ味を再現できた時は達成感がすごかったです(笑)。本当に美味しくてホッとするので、みなさんもぜひ白味噌と丸餅のお雑煮を作ってみてください!
■YUI’S Selection ーGood Vibes★SONG-
今回の「Good Vibes Song」はThe Bandの「Tears of Rage」。両親が1950〜70年代の洋楽(まさに「ジャージー・ボーイズ」の時代!)が好きだったので、子どものころは家や車の中で常に流れていて、そういう音楽を聴いて育ちました。特に5年前に他界した父はよくこの時代の音楽の魅力を語っていましたね。中でも印象に残っているのがこの曲です。この前ふと思い出して20年ぶりぐらいに聴いてみたんですが、一瞬であの頃に連れ戻され、とんでもないノスタルジーを感じました……。
Tears Of Rage (Remastered 2000)|The Band
撮影協力/グランアーツ
聞き手/塩塚 夢(産経新聞社)
小林 唯(Kobayashi Yui)
1993年兵庫県生まれ。大阪市立咲くやこの花高校演劇科卒業。在学中に『サウンド・オブ・ミュージック』を観てミュージカルに感銘を受ける。2013年劇団四季研究所入所。同年9月に『コーラスライン』で初舞台を踏み、その後『キャッツ』(スキンブルシャンクス役)、『アラジン』(アラジン役)、『パリのアメリカ人』(アンリ・ボーレル役)、『美女と野獣』(野獣役)など数々の作品で主要な役を務める。2023年に退団後、ミュージカル『この世界の片隅に』に水原哲役で出演、さらに帝国劇場クロージング公演『レ・ミゼラブル』アンジョルラス役に抜擢。幅広い音域での高い歌唱力を武器に、今もっとも活躍が期待される若手スターのひとり。2025年8月・9月にシアタークリエにて上演するミュージカル『ジャージー・ボーイズ』に出演することが発表になった。
Stage Information
ミュージカル『レ・ミゼラブル』

作:アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク
原作:ヴィクトル・ユゴー
作詞:ハーバート・クレッツマー
オリジナル・プロダクション製作:キャメロン・マッキントッシュ
演出:ローレンス・コナー/ジェームズ・パウエル
翻訳:酒井洋子
訳詞:岩谷時子
製作:東宝
出演
ジャン・バルジャン:吉原光夫 / 佐藤隆紀 / 飯田洋輔
ジャベール:伊礼彼方 / 小野田龍之介 / 石井一彰
ファンテーヌ:昆夏美 / 生田絵梨花 / 木下晴香
エポニーヌ:屋比久知奈 / 清水美依紗 / ルミーナ
マリウス:三浦宏規 / 山田健登 / 中桐聖弥
コゼット:加藤梨里香 / 敷村珠夕 / 水江萌々子
テナルディエ:駒田一 / 斎藤司 / 六角精児 / 染谷洸太
マダム・テナルディエ:森公美子 / 樹里咲穂 / 谷口ゆうな
アンジョルラス:木内健人 / 小林唯 / 岩橋大
上演スケジュール
【東京】帝国劇場 2024年12月20日(金)初日~2025年2月7日(金)千穐楽
*プレビュー公演:2024年12月16日(月)~12月19日(木)
【大阪】梅田芸術劇場メインホール 2025年3月2日(日)~3月28日(金)
【福岡】博多座 2025年4月6日(日)~4月30日(水)
【長野】まつもと市民芸術館 5月9日(金)~5月15日(木)
【北海道】札幌文化芸術劇場hitaru 2025年5月25日(日)~6月2日(月)
【群馬】高崎芸術劇場 2025年6月12日(木)~6月16日(月)