今年4月から上演されてきた舞台『千と千尋の神隠し』ロンドン公演が8月24日、ロンドン・コロシアムで大千穐楽を迎えました。主演を務めた橋本環奈さん、上白石萌音さん、川栄李奈さん、福地桃子さんのコメントが到着。また、上白石さん出演の大千穐楽の映像も公開になりました。
同作は宮崎駿監督による同名アニメーション映画を原作に、2022 年に東宝創立90周年記念公演として初の舞台化がなされた作品です。
ミュージカルの金字塔『レ・ミゼラブル』オリジナル版の潤色・演出を担い、そのほか『ナイツ・テイル-騎士物語-』や『ダディ・ロング・レッグズ』など演劇史に残る名作を生み出してきた英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアード氏が翻案・演出を手掛け、映画の世界から飛び出したようなキャラクターたちと、熱い息遣いまでが感じられるライブならではの醍醐味が相まった舞台は、大衆演劇の優れた業績を表彰する『第47回菊田一夫演劇賞』で上演関係者一同が菊田一夫演劇大賞を受賞する快挙を成し遂げるなど、高い評価を得ました。
ロンドン公演の会場であるロンドン・コロシアムは演劇の聖地であるウェストエンド最大規模の劇場。日本人キャストによる日本語での海外上演としては演劇史上最大規模(135公演を上演)、また東宝主催公演としても史上初の試みでした。
大千穐楽では、場内アナウンスが流れるなり客席から歓声と拍手が沸き起こり、開演前から早くも大盛り上がり。上白石さんの表情豊かな演技と、パペットや映像を駆使したファンタジックな演出、生オーケストラによる壮麗な音楽に、息を呑んで引き込まれている観客の様子が映像からも伝わります。
「ススワタリ」や「頭」のユーモラスな所作には笑いが。キャスト総出のダンスシーンでも拍手と歓声が起こり、上演中もビビッドな反応が起こっていました。カーテンコールでは、スタンディングオベーション。上白石さんが英語で「皆様のおかげで、この4ヶ月半、素晴らしい旅となりました」とあいさつをすると、温かい拍手と声援が送られました。
4ヶ月半にわたるロンドン公演、今年3月からの国内公演を含めると半年にも及ぶ公演がゴールを迎え、上白石さんも感無量の様子でした。
大千穐楽公演は9月8日までオンライン動画配信サービス Hulu でアーカイブ配信されており、視聴チケットが販売中です。
【千尋役 4名のコメント】
■橋本環奈さん
2024年8月24日をもってロンドン・コロシアムにて、舞台「千と千尋の神隠し」が大千穐楽を迎えました。
私は5月7日に本公演の初演を務めさせて頂きましたが、ロンドンを訪れ初めてこの劇場に足を踏み入れた時の事は、今でも鮮明に思い出されます。
100年の歴史を感じる劇場内の装飾や仕様の素晴らしさにただただ圧倒されるばかりで、ここで演じられる事に素直に喜びを感じました。2022年3月2日帝劇から始まった「千と千尋の神隠し」も日本全国で多くのお客様に足を運んで頂きましたが、まさか日本を飛び出しロンドンで海外のお客様をお迎えしての公演が実現するとは思ってもいませんでした。
こうして無事に大千穐楽を迎えられた事に深い感慨を覚え、何よりホッとしています。
多くの困難があった開演までの道程と、それを乗り越え日本のみならず海外のスタッフの皆さんと一つになって作り上げたこの作品は、私にとって千尋が神隠しにあうのと同様、異世界に放たれ、多くの事を与えて頂き、成長させてくれました。
ロンドン・コロシアムに世界中から足を運んで下さったお客様へ心からの感謝と共に、何よりも大切なキャスト、スタッフであるカンパニーのみんなに心から「お疲れ様でした」、そして「有難う御座いました」とお伝えしたいです。
■上白石萌音さん
大千穐楽を迎えられて本当にほっとしています。夢のようで、でも確かに一歩一歩を踏み締めた時間でした。
日本とロンドンを行き来しながらの公演はとても楽しかったです。空気感の違いで作品の色が繊細に変わる、生の演劇の醍醐味を味わいました。
ロンドンでは、言葉や文化を超えてカンパニーが家族になりました。どんなに大変な時も楽しく朗らかに仕事をする現地スタッフの皆さんからの学びは本当に大きかったです。大千穐楽後に日英のキャストスタッフ全員で三本締めをしたのですが、その音色が寸分の狂いもなく揃っていたことが、まさにこの四ヶ月半を表しているようでした。
お心添えくださった皆さまに感謝します。ありがとうございました!
■川栄李奈さん
帝劇から始まりロンドンと、濃くて長いとても貴重な経験をさせていただきました。
キャストスタッフのみなさんと切磋琢磨し、助け合いながら過ごしたこの期間、この出会いは、かけがえのない時間でした。
2024年の半分以上をこの作品に捧げたので、終わった今、夢の中にいたような不思議な感覚で、まさに千と千尋の神隠しのストーリーと重なる部分があり、たくさんの愛と温かさに支えられていたんだなと思います。
日本各地でこの舞台をお届けできたこと、ウェストエンドの舞台に立てたこと、お客様からの温かい拍手や声援、夢のような一生忘れられない景色を見させていただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました!
■福地桃子さん
舞台『千と千尋の神隠し』全ての公演が無事に終了致しました。
長い旅が終わってしまう寂しさもありますが、この9ヶ月間を振り返ると稽古から本番までの期間過ごした日々で感じたことは心に残る大切な思い出ばかりです。
公演を重ねながらも挑戦を続けていくカンパニーの皆さんの姿やそこで生まれる緊張感に沢山感化され、このチームの一員として千尋を務めることができ心から幸せな時間だったなと思います。
物語の冒頭、千尋は一人で登場していくのですが、演出部の方が毎回「どうぞ」と合図を出してくれました。その「どうぞ」の中に込められた思いに身が引き締まり、でもなんだかとても励まされ、背中を押してもらえる感覚があり、とても好きな時間でした。
お客様と作る空間で見えてくる風景に喜びや感動を沢山いただきました。出逢えた気持ちを大切に忘れぬように心に刻んでいきたいと思っています。本当にありがとうございました。
【ライブ・見逃し配信概要】
舞台『千と千尋の神隠し』2024年公演
1) 舞台『千と千尋の神隠し』 ロンドン公演 大千穐楽(千尋:上白石萌音)
2) 舞台『千と千尋の神隠し』 3月21日(木)午後1時 帝国劇場収録公演(千尋:橋本環奈)
3)舞台『千と千尋の神隠し』 6月20日(木)午後1時 札幌公演 再配信版(千尋:川栄李奈)
4) 舞台『千と千尋の神隠し』 6月20日(木)午後6時 札幌公演 再配信版(千尋:福地桃子)
購入ページ:Hulu https://www.hulu.jp/features/spirited-away
販売期間: 販売中〜 9月8日(日)午後8:00まで
視聴チケット価格:各5,500円(税込) ※別途システム利用料220円(税込)がかかります。
Stage Information
舞台『千と千尋の神隠し』ロンドン公演
会場:ロンドン・コロシアム
期間:2024年4月30日(火)プレビューオープン、5月7日(火)初日~8月24日(土)千穐楽
原作:宮﨑 駿
翻案・演出:ジョン・ケアード
共同翻案:今井麻緒子
オリジナルスコア:久石 譲
音楽スーパーヴァイザー・オーケストレーション・編曲:ブラッド・ハーク
音楽スーパーヴァイザー補・オーケストレーション・Abletonプログラミング:コナー・キーラン
美術:ジョン・ボウサー
パペットデザイン・ディレクション:トビー・オリエ
振付・ステージング:井手茂太
照明:勝柴次朗
音響:山本浩一
衣裳:中原幸子
ヘアメイク:宮内宏明
映像:栗山聡之
音楽監督・指揮:深澤恵梨香
舞台監督:北條 孝
演出補佐:今井麻緒子
演出補:永井 誠
共同プロデューサー:イアン・ギリー
プロデューサー:尾木晴佳
演出:ジョン・ケアード
協力:スタジオジブリ
製作:東宝株式会社
出演:
千尋:橋本環奈 上白石萌音 川栄李奈 福地桃子
ハク:醍醐虎汰朗 三浦宏規 増子敦貴(GENIC)
カオナシ:山野 光
リン/千尋の母:妃海風 華優希 実咲凜音
釜爺:田口トモロヲ 橋本さとし 宮崎吐夢
湯婆婆/銭婆:夏木マリ 朴璐美 春風ひとみ
兄役/千尋の父:大澄賢也
父役:吉村直 伊藤俊彦
青蛙:おばたのお兄さん 元木聖也
頭(かしら):五十嵐ゆうや
坊:武者真由