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COLUMN

【#24】自由でカッコいい「ザ・ラム・タム・タガー」(映画「CATS」)|東啓介と聴活♪

『ジャージー・ボーイズ』の全国ツアーも、明日がついに最終日。やればやるほど楽しく、深まっていく舞台なので、もっと長くやっていたいし、終わってほしくないです。名残惜しい気持ちでいっぱいですが、来月上演されるミュージカル『ザ・ビューティフル・ゲーム』のお稽古も着々と進んでいます。この作品は、『オペラ座の怪人』などで知られるアンドリュー・ロイド=ウェバーが作曲を担当。その音楽の世界を学ぼうと、今回の聴活はロイド=ウェバーの代表作のひとつ『CATS』を選びました。といっても、劇団四季の舞台は今、名古屋で行われていて見に行けないので、2020年に日本でも公開された実写映画『CATS』を見ることにしました。

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実はぼく、中学生の時に『CATS』の曲を歌ったことがあるんです。音楽の授業で、クラスメイトと「スキンブルシャンクス(鉄道猫)」を。授業で物語も見せてもらったような気がしますが、飛ばし飛ばしだったせいもあって、歌は覚えているのに、内容は全然覚えていませんでした(笑)。
人間と同じで、いろんな個性あふれる猫ちゃんたちの人間模様、いや、猫模様が描かれていて、歌もダンスもあって楽しそうで…。どの曲も名曲ぞろいで、改めてロイド=ウェバーのすごさを思い知りました。
彼の作品には、宗教が描かれるものが多い気がします。今お稽古している『ザ・ビューティフル・ゲーム』もそうですし、ぼくが初めて出演したロイド=ウェバー作品である『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド』もそうでした。でも、『CATS』は猫の世界ですから、また全然違います。作品にはいろんな猫が出てきますが、それぞれにテーマソングのような登場曲があるんです。何十匹もの猫の登場曲がみんなクラシカルで同じような旋律だったら個性が見えないと思うんですが、全然違うので、曲から猫の個性が伝わってくる。ロイド=ウェバー作曲というだけで絶対的な安心感がありますし、1曲ごとにテンションが上がるので、カフェなんかで流してほしいですね!

中でもテンションが上がったのが、今回選んだラム・タム・タガーの歌。イントロが流れただけで、「来たーーーっ!」ってテンションが上がるし、とにかく格好良い。ラム・タム・タガーは、猫界でモテモテの色男なんですが、映画版のラム・タム・タガーは歌がめちゃくちゃうまくて、ジャジーでポップでファンクに歌いこなしていてすごかったです。
ミュージカルに詳しくない人からすると、ロイド=ウェバーと聞いて思い浮かべるのは、『オペラ座の怪人』のような、荘厳でクラシカルな、それこそ1音1音を綺麗に歌う曲かもしれません。でも、ラム・タム・タガーの歌を聞くと、こんなにも現代的で遊び心があって、ブラックミュージックの要素も取り入れた曲もあるんだ!と感銘を受けるはずです。そもそも、モテモテのイケてる猫という設定がずるいですよね(笑)! 一番自由で、カッコいいんです! イケてるかどうかは別として、ぼくもいつか歌ってみたいと思いました。

ロイド=ウェバーの旋律は、行きたい音に行かなかったり、楽譜を見てもわけがわからなかったり、稽古場では苦労していますが、CATSはキャッチ―な曲ばかり。ストーリーもどちらかというと、見る人にゆだねる系です。幸福とは何なのかとか、個性を大事にしようとか、自由でいいんじゃないかとか、猫にも優しくしてねとか、寄り添いあうことの素敵さみたいなメッセージを僕は感じ取りました。

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猫の世界にどっぷり浸れるので、劇場を出た後、映画館を出た後は、ちょっと世界が違って見えると思います。ぼくはカメラをやるので、普段見ないところを見るというのが自分のテーマのひとつなんですが、猫の世界を通じてヒントをもらったような気もしました。

それにしても、ミュージカルの曲を書くって本当にすごいですね。授業で歌った「スキンブルシャンクス」も、ミュージカルを知らなくても多くの人が聞いたことがあるだろう「メモリー」も、今回選んだ「ザ・ラム・タム・タガー」も、CATSの楽曲は、日本人の一部がいまだに思っている格式ばったミュージカルのイメージを変えられるかもしれません。コンサートで歌っても、ミュージカルの曲とわからないかも。調べて初めて、「え? CATSなの?」「映画あるじゃん。見てみようかな」となったら、世界が広がりますよね。

『ザ・ビューティフル・ゲーム』の楽曲は、これまた全然違っていて、同じテーマがずっと流れていてそこにさまざまな音を植え付けていくみたいな感じなんですが、それについてはまた、次回以降の「聴活」でお話しできたらいいなと思います。

これまでの聴活でも紹介したフランク・ワイルドホーン(『ジキル&ハイド』『デスノート』など)、シルヴェスター・リーヴァイ(『モーツァルト!』『エリザベート』など)ら、ミュージカル界の有名な作曲家の中でも、知れば知るほどわからなくなるのが、「ロイド=ウェバーらしさ」。きっと好奇心旺盛な方なんでしょうし、これを機に、『CATS』だけでなく他の作品も見てみたくなりました。今後の聴活のテーマのひとつにしていきたいです!

聞き手/道丸摩耶(産経新聞)
撮影/黒澤義教
ヘア&メイク/yuto
スタイリスト/青木紀一郎
シャツ¥40,700(08sircus/08book TEL03-5329-0801)
その他(スタイリスト私物)

今月の聴活SONG♪

The Rum Tum Tugger | Cats the Musical

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東啓介(Higashi_Keisuke)
1995年7月14日生まれ。2013年デビュー。『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』『命売ります』『Color of Life』 などの作品で主演を務める。近年はミュージカル界の新星として頭角を現している。2020年11月にはファーストソロコンサートも開催。 最近ではミュージカル 『イン・ザ・ハイツ』 (神奈川・大阪・名古屋・東京公演)やミュージカル 『マタ・ハリ』 に出演。映像作品でも、NTV「ウチの娘は、彼氏が出来ない‼︎」やTBS火曜ドラマ「ファイトソング」などに出演し話題に。最近では、TX木ドラ 24 「チェイサーゲーム」や MBS 「闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん」に出演。2022年10月12月ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』にボブ・ゴーディオ役で出演中で、2023年1月にはミュージカル『ザ・ビューティフル・ゲーム』にトーマス役で出演することが決定した。
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Stage Information

『ザ・ビューティフル・ゲーム』

作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
作詞:ベン・エルトン
上演台本・演出:瀬戸山美咲
振付:ケイティ・スペルマン

出演:小瀧望(ジャニーズWEST)、木下晴香、東啓介、豊原江理佳、加藤梨里香
新里宏太、皇希、木暮真一郎、益岡徹  ほか

■東京公演:2023年1月7日(土)〜26日(木)日生劇場
■大阪公演:2023年2月4日(土)〜13日(月)梅田芸術劇場 メインホール

公演公式サイトはこちら

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