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COLUMN

【加藤和樹のテダム】#2 KoNさん~唯一無二の「宝石のような」存在~

韓国に興味津々の俳優、加藤和樹さんが、韓国エンターテインメント界で活躍する人たちと語り合う「加藤和樹の対談(テダム)」。第2回のゲストには、バイオリニストでありミュージカル俳優としても活躍するマルチアーティストのKoNさんをお招きしました。日本のテレビドラマでの共演をきっかけに、長年、国境を越えて付き合いを続けてきた2人。念願のジョイントコンサートを終え、さらに深まった絆が感じられる対談となりました。

――まずは、お2人の出会いについて教えてください

KoN 2012年に放送されたドラマ『赤い糸の女』(フジテレビ系)の撮影現場でお会いしたのが始まりです。和樹さんは、チェロを演奏をするシーンがあって…。

加藤 そうなんです。チェロを趣味にしているという役だったので、必死に練習しました。とても緊張したのを覚えています。

KoN いやいや、とてもさまになっていましたよ。その後、(チェロは)続けていないんですか?

加藤 続けていないんです。すみません(笑)。

――共演をきっかけに、交流を続けてきたんですね

加藤 はい。カタコトの英語や日本語を駆使しながら、時代と主にアプリなどもできて、だいぶ便利になりましたね(笑)。その後、僕が韓国発のミュージカル『フランケンシュタイン』の日本公演(2017年初演)に出演することが決まった時、KoNさんが「『フランケンシュタイン』の音楽を手掛けているイ・ソンジュンさんは僕の後輩だ」とおっしゃっていたので一緒に公演を観に行ったりしました。それからも、僕の公演やコンサートを日本まで観に来て下さったり、僕が韓国に行った時は最新スポットを教えてくださったり…。

KoN 和樹さんが韓国に来るたびに、おいしいお店にご案内しています!(笑)

加藤 日本の友達より頻繁に会っています(笑)

――3月31日には、初のジョイントコンサート『Kaz♪KoN2023』が東京・大手町の日経ホールで開催されました。コンサートはいかがでしたか?

KoN 10年待ち続けてきた初めてのコンサートが、成功裡に終えられたことが幸せです。まずは和樹さんにお礼を言いたい気持ちでいっぱいです。

『Kaz♪KoN2023』より。撮影/源賀津己

加藤 本当に夢のようなステージでした。だって、KoNさんと一緒にコンサートをやるなんて、昔の僕たちでは考えられなかったですから。

KoN 出会った当時は、2人とも俳優でしたからね。和樹さんはその後、一生懸命、歌を勉強されて、今はすばらしいミュージカル俳優になられて。

加藤 いやいや…。でも、自分が歩んできた道が間違いじゃなかった、ミュージカルをやって良かったなと思いました。

『Kaz♪KoN2023』より。撮影/源賀津己
『Kaz♪KoN2023』より。撮影/源賀津己

KoN 僕はいつも、こういう舞台もできる、こういうステージも作れるとさまざまな想像をしているのですが、その想像していた中のひとつが現実になりました。それがとても嬉しかったです。公演の最後に、和樹さんがコンサートの感想をおっしゃってくださいましたが和樹さんの言葉を聞いてグッときました。

――加藤さんは、コンサートでも演奏されたKoNさん主演のミュージカル『パガニーニ』を韓国に観劇に行かれたとか

加藤 はい。KoNさんは、以前、僕のミュージカルを日本まで観劇に来てくれたんです。だから初演行けなかったのですが、韓国で『パガニーニ』再演をやると聞いた時、これは絶対、観劇に行かなければと思って…。ソウルからちょっと離れた公州(コンジュ)という場所にある劇場でした。

KoN 見に来ていただいた知り合いとは普通、終演後に会うんですが、その日は終演後が忙しくて時間がなかったんです。でも、和樹さんが見に来てくれると聞いて、この人には絶対に会わないといけないと、開演前に会えるよう事務所にお願いしました(笑)。最初は無理だと断られたんですが、副社長に電話して、『和樹さんが来るんだぞっ!』と説得しまして(笑)。通常は準備があって入れない開演前の楽屋でお会いすることができました。

加藤 めっちゃ嬉しいですけど、「そんなことをしてもらえる人間じゃない!」と、びっくりしましたよ(笑)。だって、開演前だからメイクも完璧で、衣装もちゃんと着ていらして。「ステージで写真を撮りましょう」となりまして…(笑)。

KoN 2人で写真を撮りましたよね。休憩時間なのに、照明監督が待っていてくださって、和樹さんと写真撮るときに明かりをつけてくれました。

加藤 本当に申し訳なかったです。でも、KoNさんがいかにスタッフたちに愛されているかが分かりました。改めてすごい存在なんだなって。

KoN 公州までせっかく来ていただけたのですから当然です。公州は栗が有名なので、栗のパイをお土産に渡しましたよね。会えてよかった。すごく満足な経験でした。和樹さんはそのくらい大切な友達なんです。

加藤 すごくいい経験をさせてもらいました。KoNさんはギャップがずるいんですよ。普段は明るくて優しくて太陽のような存在なんですが、舞台の演奏はむちゃくちゃ格好いい! 『パガニーニ』を見て、演奏はもちろんですが、歌も演技もすばらしいので、俺はこんなすごい人と友達だったのかと驚きました。本当に唯一無二の存在で、友達でいられることが誇らしいです。

KoN 嬉しいです!

――お互いにとってお互いはどんな存在ですか?

KoN 2人とも芸術家ですからね。芸術家とは、心と心で通じ合うものなんです。国籍、人種、言語が違っても、この人と通じ合えてるな、と感じる時が必ずあります。そう感じた時、僕は隠された宝石の原石を見つけたような気持ちになります。そこから長い月日が流れて、自分が見つけた原石が本物の宝石だったと分かったときが最高に幸せなんです。和樹さんと共演したドラマで、ブドウのシャインマスカットを『畑の宝石』に例える台詞がありましたが、僕にとっての宝石は和樹さんだったなと思います。

加藤 ちょっとくすんだ宝石なんですけど…(笑)。KoNさんは…そうですね、僕と韓国をつないでくれる存在ですね。知らない土地である韓国に行くのも、KoNさんがいるから怖くない。最近、韓国語を勉強し始めたとはいえ、まだまだ満足に会話できるほどじゃないですから。でも10年前は全くしゃべれなかったのに一緒にいられたわけで、これはよほど気が合わないと無理ですよね。KoNさんは誰をも包み込む優しさを持っていて、形だけじゃなく心から、僕のことを評価してくれているのが分かるんです。韓国の第一線で活躍するKoNさんは、僕にとっての目標でもあるし、心の支えです。

KoN ありがとうございます! 僕もがんばって成長していますが、友達も同じように成長している。一緒に成長しているのを確認しながら、これからも一緒に歩んでいけたら、それが本当の幸せだと思います。僕は歌も演奏も作曲もやるマルチプレイヤーですが、僕みたいな人は韓国にはあまりいなくて、誰かと話すときもあまり共感してもらえないんです。でも、和樹さんは僕みたいなマルチプレイヤーと友達でいてくれる。本当に感謝しています。

加藤 KoNさんはさらに、画家としての一面も持ち始めましたからね。これからもいろんなKoNさんの表情を見るのが楽しみです。

――次に2人でかなえたい夢はありますか?

加藤 このコンサートは始まりですから。次は韓国でやりたいです!

KoN OKです! 会場を探さないと!

――最後に、韓国の最新のおすすめスポットやグルメがあったら教えてください

KoN 韓国で一番高いソウルのロッテワールドタワーに行ってほしいです。大統領選の映像を撮るために、ロッテワールドのてっぺんでバイオリンを演奏したんですけど、結構大変な思いをしたのに、友人たちもCGだと思っていたみたいで…。ちょっと悔しいです(笑)。

※ロッテワールドタワーのてっぺんで演奏するKoNさんの映像 KBS公式channel

加藤 あの映像はマジですごい! 怖くなかったですか?

KoN 最初は怖かったですけど、30分くらいしたら慣れました。観光客はあそこまでは行けないですが、すぐ下のスカイブリッジまでは行けます!

加藤 僕はこの前、大学路(テハンノ)で初めてミュージカルを観劇しました。演劇の街ですから、芝居好きな人には行ってもらいたいですね。若者が多い街でもあるので、おしゃれなカフェや食べ歩きできるフードのお店もいっぱいあります。演劇の最先端である大学路を、ぜひチェックしてほしいです。

通訳/藤本はるみ
取材・文/道丸摩耶(産経新聞)
対談撮影/吉原朱美

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加藤和樹(KATO KAZUKI)

2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album『Rough Diamond』でCDデビュー。毎年CDリリースや単独ライブ、全国ライブツアーを実施するなど、音楽活動を精力的に行っている。2009年韓国、台湾、中国でCDデビューを果たす。俳優としてはドラマ・映画・舞台のほか、ミュージカルや声優としても活躍している。2023年1月~3月ミュージカル『キングアーサー』、4月~5月『BACKBEAT』に出演。7月~9月ミュージカル『ファントム』でふたたびファントム役に挑む。第46回(2020年度)菊田一夫演劇賞受賞。
WOWOW「加藤和樹のミュージックバー『エンタス』」でMCを務める。

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KoN

韓国と日本で活動するマルチアーティスト。バイオリニスト、作曲家、シンガーソングライター、ミュージカル俳優。8歳からバイオリンを始め、ソウル大学器楽科、ソウル大学音楽大学院卒業。2010年に自身でプロデュース・作編曲・演奏を行ったアルバム「Nuevo Gypsy」でデビュー。韓国初のジプシーバイオリニストとして注目をあびる。2012年にアルバム「KoN ~Nuevo Impacto~」で日本デビュー。日本ドラマ「赤い糸の女」では主題歌を担当し、出演も果たした。

俳優としても活動し、ミュージカルをはじめドラマ「のだめカンタービレ~ネイル カンタービレ」にもカメオ出演。韓国ドラマOSTにも参加、「誘惑」「また?! オ・ヘヨン~僕が愛した未来(ジカン)~」などの挿入曲で話題に。

Information

「KIFU COFFEE」 発売中!

加藤和樹さん・東山光明さん・吉高志音さん
子供たちのいのちを守る“低血糖アラート犬養成プロジェクト” 寄付活動に賛同

「KIFU COFFEE」とは、一般社団法人「キフクリエイト」を通じて販売しているコーヒー。
売上の10%が保護犬から育成し、低血糖の子供たちのいのちを守る“低血糖アラート犬養成プロジェクト”を行っている「認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク」へ寄付されます。
このプロジェクトに賛同した、加藤和樹さん・東山光明さん・吉高志音さん、それぞれが犬のイラストを描き「KIFU COFFEE」のパッケージに。

一番上(ピンク);加藤さんのイラスト、右(オレンジ):東山さんのイラスト、(ライトブルー)吉高さんのイラスト

【加藤和樹さん コメント】
コーヒーなら誰にでも手に取りやすいし、日常的に飲む人が多いですよね。自分が日常的にしていることが、寄付に繋がることがすごく素敵だなと思いました。僕らの「KIFU COFFEE」がみんなにとって寄付活動を始める良いきっかけになってくれると嬉しいです。朗読劇『しっぽのなかまたち』で保護犬と直接関わりましたし、僕自身カイという柴犬も家族にいたので犬は身近な存在。間接的にではありますが、自分もこのプロジェクトに関われることを嬉しく思います。

【商品情報】
・KIFU COFFEE(5個セット)1,200円(税込)

商品の詳細・購入は「Assist Official SHOP~nagomi~」

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