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COLUMN

【#27】パワフルな歌に感動「 (And I’m Telling You) I’m Not Going」(ドリームガールズ)|東啓介と聴活♪

ミュージカル『ザ・ビューティフル・ゲーム』、無事に千秋楽を迎えることができました。今まであまりやったことのないタイプの役でしたが、ファンの方から「こういう役も観てみたかった」という声をいただき、心強かったです。少しタイプが近いラドゥ(ミュージカル『マタ・ハリ』)やジャベール(ミュージカル『レ・ミゼラブル』)、トート(ミュージカル『エリザベート』)を見てみたいなんていうお声もいただき、新たな扉を開けられたかなと思っています。

千秋楽の翌日、東京国際フォーラムでブロードウェイミュージカル『ドリームガールズ』を観てきました。だいぶ前に映画を観たことはありましたが、生の舞台は力強さや迫力が違います。めちゃくちゃ良くて、観終わった後、高揚感のままカラオケに行ってしまったくらい感動しました(笑)!

『ドリームガールズ』は、1960年代のアメリカで、ディーナ、エフィ、ローレルという女性3人組のコーラスグループが成功をおさめていくストーリー。白人中心だったアメリカのショービジネス界に黒人の女性グループが挑んでいく物語でもあり、日本人キャストがどう演じるのか気になっていましたが、とにかくすごかったです! パワフルでソウルフルな歌い方、魂の叫びを大事にしている作品の魅力が、そのまま表現されていました。

ドリームガールズ
(左から)ローレル/sara、ディーナ/望海風斗、エフィ/村川絵梨(撮影/吉原朱美)

『ザ・ビューティフル・ゲーム』の歌はどちらかというとクラシカル寄りだったので、直後にまた別のジャンルの作品に触れることができたのは、本当に刺激になりました。

どの曲もすばらしかったですけど、中でも感動したのが、1幕のラストに歌われる「 (And I’m Telling You) I’m Not Going」。「ザ・ドリームズ」というグループ名でデビューが決まった3人組ですが、歌唱力のあるエフィではなく、見た目がいいディーナをセンターにするという方針に、エフィは反発しグループを脱退。マネージャーで交際相手のカーティスからも別れを告げられてしまいます。その直後にエフィが歌うのがこの曲です。

ドリームガールズ
(左から)C.C./内海啓貴、ローレル/sara、ディーナ/望海風斗、エフィ/村川絵梨、ジェームズ/岡田浩暉、カーティス/spi、マーティ/駒田一(撮影/吉原朱美)

エフィはWキャストで、ぼくが見たのは村川絵梨さんの回。パッションというパッションが詰まっていて、歌の後半になるにつれて感情が増幅されて、まさに歌い上げていくのがすばらしかった。女性の歌ですけど、男性のぼくが「いいなぁ! 自分も歌ってみたい!」と悔しくなるほどの名曲でした。

他にも、バラードの「One Night Only」を男性バージョンにしてキーを直して歌ったらどんな感じになるんだろうとか、気になる歌がたくさんありました。「Cadillac Car」も楽しいポップスでしたね。熱量の大きな曲がたくさんあって、それが全部心に響く。これだけタイプの違う曲を次々に作曲したC.C.ホワイトは天才だな、と思いました。『ジャージー・ボーイズ』でぼくがやらせていただいた作曲家のボブ・ゴーディオを重ねてしまいました(笑)!

実はこの作品、ストーリーもちょっと、『ジャージー・ボーイズ』に重なるんですよ! グループが上り詰めていって、でもうまくいかなくなって…みたいな。曲がすばらしいところも似ています。その『ジャージー・ボーイズ』にも出ていたspiさんが今回カーティスを演じていて、spiさんのお芝居やみせ方もとても素敵でした。

ドリームガールズ
(左から)ディーナ/望海風斗、ローレル/sara、エフィ/村川絵梨、カーティス/spi(撮影/吉原朱美)

『ドリームガールズ』で歌われるような、歌に感情をのせるソウルフルなナンバーって、とても難しいんです。力を入れると、どうしても高音が出しづらくなったり声量が減ったりしてしまう。舞台だと失敗できない緊張感もあるし、練習通りにいかなかったらどうしようという不安もあるはず。でも、ディーナの望海風斗さんはじめ、キャストの皆さんはどの曲も気持ちを込めてソウルフルに歌っていて、本当にすばらしかったです。

演じる側としては、きっと毎公演凄く体力を使うと思います。でも、絶対に自分の糧になるし、大きな自信につながる舞台だと思います。役が持っている力強さももらえそうだし、何より舞台はひとりじゃない、皆と作り上げるものです。周りからパワーをもらいながら、そのパワーをお客さんに歌で伝えられる。女性の強さ、人の力のすごさを感じるいい舞台でしたし、ぼくもいろんな歌い方を会得したいと刺激を受けた最高の観劇体験でした!

聞き手/道丸摩耶(産経新聞)


今月の聴活SONG♪

ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ 』舞台映像ダイジェスト|梅田芸術劇場


東啓介(Higashi_Keisuke)
1995年7月14日生まれ。2013年デビュー。『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』『命売ります』『Color of Life』などの作品で主演を務める。近年はミュージカル界の新星として頭角を現している。2020年11月にはファーストソロコンサートも開催。最近ではミュージカル『イン・ザ・ハイツ』(神奈川・大阪・名古屋・東京公演)やミュージカル『マタ・ハリ』に出演。映像作品でも、NTV「ウチの娘は、彼氏が出来ない‼︎」やTBS火曜ドラマ「ファイトソング」などに出演し話題に。最近では、TX木ドラ24「チェイサーゲーム」やMBS「闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん」に出演。2022年10月〜12月ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』にボブ・ゴーディオ役で出演。2023年1月〜2月ミュージカル『ザ・ビューティフル・ゲーム』にトーマス役で出演。4月〜5月には舞台『二次会のひとたち』に中内啓介役で出演する。
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Stage Information

ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』

脚本・作詞: TOM EYEN(トム・アイン)
音楽: HENRY KRIEGER(ヘンリー・クリーガー)
オリジナル・ブロードウェイ版演出・振付: MICHAEL BENNET(マイケル・ベネット)
演出:眞鍋卓嗣
企画・制作・主催:梅田芸術劇場

出演:望海風斗、福原みほ/村川絵梨、sara、spi、内海啓貴、なかねかな、岡田浩暉、駒田一ほか

■東京公演/東京国際フォーラム ホールC 2023年2月5日(日)~14日(火)
■大阪公演/ 梅田芸術劇場 メインホール 2023年2月20日(月)~3月5日(日)
■福岡公演/ 博多座 2023年3月11日(土)~15日(水)
■愛知公演/ 御園座 2023年3月22日(水)~26日(日)

公演公式サイト

東啓介さん出演:Stage Information

舞台『二次会のひとたち』

作:岡田惠和
演出:田村孝裕

美村里江、内田理央、東啓介、佐藤アツヒロ

東京公演:2023年4月14日(金)~4月30日(日)紀伊國屋ホール
大阪公演:2023年5月6日(土)~5月7日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
一般発売日:3月26日(日)10:00

公演公式サイトはこちら

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