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初めての“イマーシブシアター”にドキドキ▷ダンスカンパニー「DAZZLE」プロデュース『Unseen you』

最近、“イマーシブシアター”という言葉を耳にすることが、少しずつ増えてきました。イマーシブシアターとは2000年代にイギリス・ロンドンから始まった演劇スタイルで、「イマーシブ=没入」という名の通り、観客が演劇空間の中に入り込むような新しい鑑賞体験ができます。日本でも、テーマパークなどで取り入れられたり、今年12月には東京・日本橋のホテルを舞台にした「Anima」が4日間限定で上演されるなど、エンターテインメントの一形式として、受け入れられつつあります。今回は男性9人組ダンスカンパニー「DAZZLE」がプロデュースする東京・白金台の常設イマーシブシアター「Unseen you」を体験してきました。

男性9人組のダンスカンパニー「DAZZLE」。公式サイト→https://dazzle-tokyo.com/

「DAZZLE」は、2017年以降、イマーシブシアターの制作に取り組み、廃病院を舞台とした「Touch the Dark」(2017)、ワンピースタワーとのコラボレーション作品「時の箱が開く時」(2018)、京都南座で開催した松竹主催「サクラヒメ」(2020)など日本での先駆的な存在として多数の作品を発表。2021年には東京・お台場ヴィーナスフォートで日本初の常設型イマーシブシアター「Venus of TOKYO」を開業し、注目を集めました。

最新作となる「Unseen you」は、閑静な住宅街に佇む一軒家が舞台。まず、観客は来場に際し、「黒っぽい服」というドレスコードが案内されます。文字通り“黒子”ということでしょうか。観客も物語の一部であることを、劇場を訪れる前から実感させられます。

観客は一回につき最大28人と通常の劇場公演と比べるとはるかに小規模。最初にひとつの部屋に集められ、キャストが登場していよいよ物語がスタート。

物語は架空の国の奇妙な孤児院を中心に展開します。主人公は「盲目の天才画家」…ですが、物語の中盤からは、「魔女」、「盗賊」、「修道女」といった他の登場人物たちの中から、気になる人物を選んで彼らの後を追いかけていくという自由なスタイル。

写真提供/DAZZLE

誰を追っていくかで、当然目撃できるストーリーも変わってきます。日本の観客にもなじみやすいように、あえて最初から完全に自由にするのではなく、チュートリアル的に序盤は共通の物語を提示するようにしているそうですが、「見るものを選べるという意味では、お客さま1人ずつが主人公」と演出・脚本を手掛ける「DAZZLE」主宰の長谷川達也さんは話します。キャストも約60人が入れ替わりながら演じるので、一度では終わらない楽しみがあり、ハマる方も多いとか。今年9月の開幕以降、「50回以上いらしているお客様も」と長谷川さん。複数で訪れた場合は、それぞれ別の登場人物を追いかけると、終演後に「あの人はどんなストーリーだった?」と補完できてオススメだそう。

写真提供/DAZZLE

初めてのイマーシブシアターは、3階建ての一軒家の部屋から部屋へをキャストを追いかけて移動。至近距離でキャストがダンスを披露したり、いきなりキャストから頼まれごとをされたりとドキドキの体験でした。戸惑うこともありましたが、そこはキャストがスムーズにフォローしてくれます。「海外の作品にもひけをとらない内容に仕上がっていると思います。『イマーシブシアター』って何?と思っている方にこそ、ぜひ見ていただきたいです」と長谷川さん。「DAZZLE」は、東京・上野でも常設型イマーシブシアター「Lost in the pages」(来年6月末まで)を上演中です。

取材・文/塩塚 夢(産経新聞社)

Stage Information

イマーシブシアター『Unseen you』

振付・製作・会場設営:DAZZLE(長谷川達也 宮川一彦 金田健宏 荒井信治 飯塚浩一郎 南雲篤史 渡邉勇樹 高田秀文 三宅一輝)

演出・脚本:長谷川達也(DAZZLE)
音楽制作:林ゆうき 古橋勇紀
クリエイティブディレクター:飯塚浩一郎(DAZZLE)

《出演》
DAZZLE(長谷川達也 宮川一彦 金田健宏 荒井信治 飯塚浩一郎 南雲篤史 渡邉勇樹 高田秀文 三宅一輝)ほか

【開催日程】
2023年9月1日(金)より常設 
平日:15:30/18:00/20:30
土日祝:13:00/15:30/18:00

【会場】
シャレイ白金(東京都港区白金6-16-24)

公式サイトはこちら

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