エンターテインメントで笑顔を繋げる!

MUSICAL/PLAY

韓国発ミュージカル『マリー・キュリー』日本初演!▷マリー役・愛希れいかさんインタビュー

韓国発のミュージカル『マリー・キュリー』日本初演が本日(3月13日)、天王洲銀河劇場にて開幕しました。Fact(歴史的事実)とFiction(虚構)を掛け合わせた“ファクション・ミュージカル”と銘打った本作は、ノーベル賞を二度受賞した科学者、マリー・キュリーの半生をモチーフに創作された「もう一人のマリー・キュリー」の物語。その日本初演のマリー役を演じる愛希れいかさんに、公開稽古&取材会のあとに本作への意気込みを伺いました。

――公開稽古では、皆さんが「初めてマスクをはずして臨んだので、新鮮だった」と口を揃えていましたね。愛希さんも「発見があった」とおっしゃっていました。

はい、表情が見えたことで、相手がどう思っているのかが明確にわかったことは新鮮でしたし、その表情を見て自分がどう感じるか、自分の中の感情がはっきりしたんですね。その気持ちなら私はこう返す、というような、相手から受け取れるものがあったので、発見が多かったと感じました。あとは単純に、歌う際にこういう発声をした方がいいとか、そういう技術的な発見もありました。

――衣装をつけての通しも終えられたと伺っています。マリーという人物がすでにご自身の中にしっくりと息づいている、といった感触でしょうか。

いえ、感触的にはまだそこまではいっていないと思います。やはり科学を扱っていることもあって言葉の難しさだったり、また音楽の難しさもありますね。とても素敵な音楽なんですが、歌いこなすのは非常に難しいです。また今回、カンパニー自体が挑戦しているのは、演劇的な部分とミュージカルの部分、どちらかに寄ってしまうのではなく、どちらもしっかりと同じバランスで成立させることなんです。日本初演なので、やはり考えること、やることも多いですし、演出の鈴木裕美さんを始め、全員が最後まで諦めずに「やっぱりこっちのほうがいいね」といった変更もあるので、そこも難しい。舞台は初日を迎えるギリギリまで、しっくりくることは今までもなかったなと感じています。

――演出の鈴木裕美さんから、キャストの皆さんがそれぞれのキャラクターにとても合っているというお話がありました。愛希さんは「ストイックで、猪突猛進なマリー・キュリーにとても似ている」と。ご自身もそのように感じますか?

そのように皆さんから言っていただくことが多いので、そうなんだ…って思うことはあります(笑)。これをやる!と決めたらやらないと気が済まない、そういったマリーの頑固さとか猪突猛進なところは、確かに自分にもあるかなと。マリーは年齢や性別、国籍といったいろいろな障害を乗り越えて、自分の好きなこと、やりたいことに向かっていくので、その姿勢はとても共感するところではありますね。

――ルーベン役の屋良朝幸さんのお話に出た“アニメーション・ダンス”がとても気になるのですが、愛希さんはどのように見て、感じていらっしゃるのでしょうか。

私自身も、アニメーション・ダンスというのがどういうものを指すのか、詳しくは知らないんです。実際にどういうふうに見えるんだろうって……。私が舞台に出ていない場面で、着替えていたり、スタンバイしている場面での踊りが多いんです。稽古で、少しだけ見させていただいた場面もあるのですが、楽しそう、面白そうだなと思いながらも、本番の舞台でどう見えるのかは私もわからなくて。物語にどのように入っていくのか、私自身もとても気になります。

――この『マリー・キュリー』の物語で、愛希さんの心に最も響くポイントを教えてください。

響くポイントは、いろいろとあります。とてもメッセージ性の強い作品なので、稽古を重ねるほどに、ここにこういうメッセージがあるんだな、こんなふうにもとらえられるな……と思える点がいくつも出て来て、気付かされることが多いんです。先日、清水くるみちゃんと一緒に取材を受けた際に初めて気づいたことですが、私たちは伝記などでも“キュリー夫人”として記憶していますよね。でもこの作品は“マリー・キュリー”と彼女の名前がタイトルになっている、そこは大きなポイントだと思います。誰々夫人ではなく、私は私であると。誰もが名前を持っていて、自分の名前を見つけ出し、私はここにいると言いたい。誰もが自由にやりたいことをやっていいし、選んでいいんだと。そういったメッセージを伝えられたらと思いますし、名前の大切さをあらためて考えて、作品に向かっていきたいなと思っています。

――韓国創作ミュージカルの劇作、楽曲の魅力を味わうとともに、日本版ならではの『マリー・キュリー』に大いに期待しています。

皆さん、「どんな作品なんだろう!?」ってハテナのほうが大きいと思うんですね。私自身も、最初にお話をいただいた時に「あのキュリー夫人の物語?」ってハテナの方が大きかったんです(笑)。科学の話はもちろんベースにありますが、そこだけじゃなく、誰かと出会って、気持ちが変わっていったり、成長していったり、そういった人間ドラマが強く描かれていますし、音楽が本当に素敵です。先ほども言ったように、ミュージカルと演劇、どっちも強く打ち出している作品なので、演劇好きの方も楽しんでいただけると思います。ぜひたくさんの方に見ていただきたいです!

取材・文/上野紀子
撮影:平野祥恵

次のページ
【公開稽古&取材会レポート】へ

Stage Information

ミュージカル『マリー・キュリー』

脚本:チョン・セウン
作曲:チェ・ジョンユン
演出:鈴木裕美
翻訳・訳詞:高橋亜子

出演:愛希れいか、上山竜治、清水くるみ / 屋良朝幸 ほか

【東京】
日程:2023年3月13日(月)~26日(日)
会場:銀河劇場(天王洲)

【大阪】
日程:2023年4月20日(木)~23日(日)
会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ(大阪)

公演公式サイトはこちら

1

2

RECOMMEND

NEW POST

東啓介の聴活♪
加藤和樹の#だからKOREA
PAGE TOP
error: