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INTERVIEW

キム・ソヒャンさん「早く日本の観客のみなさんに会いたいです」▷ブロードウェイ・ミュージカル『天使にラブ・ソングを…(シスター・アクト)』

東京・渋谷の東急シアターオーブでブロードウェイ・ミュージカル『天使にラブ・ソングを…(シスター・アクト)』が7月3日から上演されます。映画で主演を務めたウーピー・ゴールドバーグさん自身がプロデュースした本作は世界中で上演され、これまでに600万人以上を動員。

7年ぶり3回目の来日公演となる今回は、過去2回の来日公演とは異なる新演出と、豪華にグレードアップした新しい舞台美術が見どころです。本作に出演する韓国ミュージカル界を代表するディーヴァ、キム・ソヒャン(※ソフィー・キム)さんが、役に懸ける思いや、日本の観客のみなさんへのメッセージを語ってくださいました。

※キム・ソヒャンさんは、海外カンパニーに出演する際は「ソフィー・キム」というお名前で活動されています

――『天使にラブ・ソングを…』は映画でも大変人気ですが、ミュージカル公演の魅力について教えてください

映画も人気ですが、ミュージカルは本当にファンタスティックな歌が多いです。そして、シスターたちが変わっていく姿を生の舞台で観ることができるのも楽しいですね。幸せだったり、シャイだったり、厳格だったり…..共感できるシスターばかりで、さらに彼女たちのキャラクターも映画よりも劇的に表現されていると思います。

―― 物語の重要人物のひとり、シスター・メアリー・ロバート役を演じていらっしゃいます。最初は内気な性格な彼女が、主人公の破天荒なクラブ歌手、デロリスと出会うことで歌う喜びを見つけていく。彼女はどのような人間とお考えですか? 役作りで大切にしていることなどを教えてください。

韓国公演のポスター。シスター・メアリー・ロバート役のソフィー・キムさん。

メアリーは物語の中で劇的に成長します。だからこそ、とても愛されているキャラクターでもある。恥ずかしがり屋のシスターが、やがて誰よりも堂々と、友達のために声を上げて、自分が望むことを正確に話すことができるようになります。その時、観客も共感し、ともにカタルシスを感じるのです。私もこのキャラクターのように毎日成長してきました。メアリーのシャイな姿はアメリカに留学していた当時の私の姿と非常に似ているんです。そういうこともあり、より一層キャラクターが理解しやすかったです。

(写真提供/EMKミュージカルカンパニー)

――アラン・メンケンさんの楽曲はどの曲も素晴らしいですが、1曲選ぶとしたらどの曲? その理由は?

もちろん私のソロ曲も好きですが、「Bless Our Show」という歌が大好きです。この歌の歌詞を聞いていると、私が公演前に片隅で一人で捧げる祈りと全く同じです。セリフを間違えないように、振り付けを上手にできるように、どうか祝福を、照明と音楽がよく調和するように。公演の祝福を願う自分の心がそのまま盛り込まれているようです。なので、この歌を歌う時、涙がたくさん出ます。幸せな歌なのに涙があふれるんです。

■SISTER ACT: RAVEN-SYMONÉ SINGS “BLESS OUR SHOW”|SisterActBroadway

――本作は昨年11月から今年2月にかけて、韓国公演も行われました。韓国公演を経て、カンパニーのみなさんとの絆も深まったように思います。よくお話しする方はいらっしゃいますか?

シスター・メアリー・ラザールスという無愛想なシスター役を演じているシャノン・ハドックさんを本当に愛しています。
彼女は私よりずいぶんと年上ですが、稽古の時から最もエネルギッシュでした。そしていつもポジティブです。

(右)シスター・メアリー・ラザールス役/シャノン・ハドックさん(写真提供/EMKミュージカルカンパニー)

私は彼女から本当に多くのことを学びました。年を取っても元気に、素敵に舞台で歌って踊ることができるんだと、彼女を通じて深く考えました。今度アメリカから来る時、ベーグルを買ってポケットに入れて来るようにお願いしたんです。本当にそうしてくれるかどうか分かりませんが(笑)。

――EMKミュージカルカンパニーでは、新しいミュージカル『BENJAMIN BUTON(ベンジャミン・バトン)』が開幕しました。この作品の魅力を教えてください!

『ベンジャミン・バトン』は、映画でよく知られているスコット・フィッツジェラルドの小説を原作としたミュージカルです。しかし、表現の仕方はすべて違います。そして、パペットで時間の流れを舞台の上で表現したりと、本当に暖かくて美しい作品です。私が思う日本のみなさんの感性とも合いそうで、日本でもとても愛される作品になると思います。音楽もJazzyで、本当にスタイリッシュで楽しいです。まずは、ぜひ韓国に観に来てくださったらうれしいです。

EMKは韓国を代表するミュージカルカンパニー。『マタ・ハリ』『笑う男』などの話題作を企画・製作してきました。EMKのオリジナルミュージカル第6弾となるミュージカル『ベンジャミン・バトン』は今年(2024年)5月16日から上演中(6月30日まで)。80歳で生まれ、年を取るごとに若返る人生を与えられた 主人公のベンジャミン・バトンの一生を描くファンタジーなストーリー。EMK版ミュージカルでは、パペットでベンジャミンが若返っていくことを表現する画期的なアイディアが功を奏しています。(写真提供/EMKミュージカルカンパニー)
ベンジャミン役には、東方神起のチャンミン(写真左)がミュージカルに初めて挑み、日本でも大きな注目を集めている。
(写真提供/EMKミュージカルカンパニー)
(写真提供/EMKミュージカルカンパニー)

――今まで演じてきた多くの役の中で、ご自身が共感できるのは、どの人物のどんな側面でしょうか。

実は一つの役だけをこれだ!と言うのはちょっと難しいです。なぜなら、私の中にもすごく色んな姿の私がたくさんいるからです。しかし、大変な状況の中でも屈せず根気よく努力してきたという点ではマリー·キュリーやフリーダとよく似ています。

ミュージカル『マリー・キュリー』
ミュージカル『フリーダ』

遠い場所で成長していくキャラクターとしては、今回の『天使にラブ・ソングを…』のメアリー・ロバート役は本当によく似ていると思います。私もアメリカ留学中には本当に大変だったし、いつも恥ずかしがり屋でうつむいていました。なのに、今の私がこうやってステージの上で堂々と歌っていることにとても感激します。あと、愛らしい性格やハキハキ行動をする点はマリー·アントワネットにも似ています。こうやって話すとすごく多いですね(笑)。

ミュージカル『マリー・アントワネット』

―― (『天使にラブ・ソングを…(シスター・アクト)』が)今回7年ぶりの来日公演となります。前回は、ソヒャンさんもご出演されていましたが、日本の観客の印象などを教えてください。

私は日本の観客の方々を本当に愛しています。日本の観客の方々はとても上品で愛らしいです。いつも親切ですし、恥ずかしがっているようですが、誰よりも熱い拍手を送ってくれる方々です。そして一度縁があれば、本当に長い間その俳優を応援してくださいます。そんな変わらない姿が韓国の俳優たちにとって、大きな感動をもたらしてくれます。私も、10年前に会った日本のファンの方と今もずっと友達です。2017年のときも、カンパニーは日本公演、そして日本の観客と会うことを待ち望んでいました。そして毎日が本当に楽しかったです。今回も早く日本の観客のみなさんに会いたいです。

――日本で楽しみにしていることは?

まず、ラーメンがとても食べたいです!(笑)。友達とディズニーランドにも行きますし、うな重も食べてみます! 前にもうなぎは食べてみたのですが、もっとおいしいところを探してみたくて。まるでグルメ番組ですね(笑)。あとスタジオジブリにもとても行ってみたいのですが、行ける時間があるといいなあ……。

構成・文/塩塚 夢(産経新聞社)
写真提供/EMK Musicai Company、EMK ENTERTAINMENT

 
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Stage Information

ブロードウェイ・ミュージカル
『天使にラブ・ソングを…(シスター・アクト)』

オリジナルプロデュース:ウーピー・ゴールドバーグ
作曲:アランメンケン
演出:ロバート・ヨハンソン
出演:来日カンパニー

【東京公演】
2024年7月3日(水)~21日(日) 東急シアターオーブ

【大阪公演】
2024年7月24日(水)~7月28日(日) オリックス劇場

公演公式サイトはこちら

Story

ディスコフィーバー真っ盛りの1977年、クリスマスイヴ。
フィラデルフィアでスターを夢見るクラブ歌手・デロリスは殺人事件を目撃してしまう。
主犯である愛人のギャングに命を狙われ、修道院に逃げ込むことに……。
規律正しい生活に馴染めないデロリスだが、ある日、聖歌隊の特訓を任される。
聴くに堪えなかった聖歌隊は瞬く間に上達し、閉鎖危機にあった修道院は一気に注目の的に!
ところが、その噂はギャングの耳にまで届いてしまい……。
果たしてデロリスは、この危機を切り抜けることができるのか!

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