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【ゲネプロレポート】ミュージカル『カーテンズ』劇場を舞台に予測不能ミステリー&コメディの幕が開く!

公演初日のカーテンコール、何者かに主演女優が殺された。劇場に駆けつけたミュージカルオタクの警部補は、捜査だけでなく演出にも口を出し始めて…。ミステリー&コメディなミュージカル『カーテンズ』が2月26日(土)、東京国際フォーラムホールC(東京都千代田区)で開幕した。初日に先駆けて同日行われたゲネプロの様子をレポートする。

1959年の米ボストン・コロニアル劇場。新作ミュージカル『ロビン・フッド』の公演初日、評判の悪かった主演女優が舞台上で殺された。捜査のために駆けつけた警部補、フランク・チョフィ(城田優)はミュージカルオタク。殺人事件はそっちのけ、情熱の赴くまま、公演内容の感想をしゃべり倒す。


チョフィ役/城田優、ボビー役/三浦翔平

『ロビン・フッド』は、ボストン公演の成功を足掛かりに、ニューヨークのブロードウェイでの上演を目指していた。だが、出演者やスタッフの士気は高いとはいえない。不思議に思ったチョフィが聞き取りした結果、関係者それぞれに問題を抱えていることが、明らかになっていく。

作曲家のアーロン(岸祐二)は、かつてのパートナーで元女優の作詞家、ジョージア(瀬奈じゅん)に未練たらたら。ジョージアが主演女優の代わりとして抜擢(ばってき)され、恋人である看板俳優のボビー(三浦翔平)と仲むつまじくしている様子に苦悩し、作曲にも難航している。


(左から)べリング役/宮川浩、アーロン役/岸祐二、ボビー役/三浦翔平、ジョージア役/瀬奈じゅん

プロデューサーのカルメン(原田薫)は、実の娘である女優のバンビ(中嶋紗希)に辛く当たり、バンビは母親に反発している。 
チョフィが恋に落ちる可憐な新人女優のニキ(菅井友香)にも、どうやら後ろ暗い秘密があるようで…。
チョフィは殺人事件の捜査の傍ら、彼らを励まし、鼓舞し、寄り添い、公演の成功に向けて邁進(まいしん)する。彼の意見はいちいち的を射ていて、演出家のべリング(宮川浩)も尊重するほどだ。

そんななか、第二、第三の殺人が起こる。果たして事件は解決するのか。公演は成功するのか。全てはチョフィの腕にかかっている…!

主演の城田は、物語途中から出演となる。主演女優が殺され、てんやわんやで歌うナンバー「The Woman’s Dead/彼女は死んだ」の真っ最中に現れ、一気に舞台上の空気を、自らを中心としたものに変えていく。

今回は主演だけでなく、演出も務めている。チョフィとして、カンパニーのメンバーを気遣いながら口出ししていく様には、素の演出家としての姿勢も伺えるようだ。

菅井と三浦はミュージカル初挑戦。菅井は無邪気に見えて、不穏な気配もする美少女を繊細に演じる。三浦はキレのあるダンスを披露し、恋人に対して献身的な優男ぶりがよく似合っていた。

舞台を引き締めるのは、瀬奈、原田、岸、宮川といった、日本のミュージカル界を代表する顔ぶれ。瀬奈と城田との愉快な掛け合いは見もの。原田の豪快なナンバー「It’s a Business/これはビジネス」には力を感じるし、岸の歌う「I Miss The Music/ふたりの音楽が恋しい」には切なくなる。

特筆すべきは、今回オーディションによって抜擢された中嶋。ひたむきな努力家で、生意気な雰囲気のバンビを、本人そのもののように演じており、目が離せない。


バンビ役/中嶋紗希

古き良きアメリカの薫りがする、色とりどりのクラシカルなファッションも美しい。

ゲネプロでは、休憩時間に城田が客席に降りて、スタッフに指示する場面も。最後の最後まで調整を怠らず、本番の開幕に備えていた。

取材・文/三宅 令(産経新聞)
撮影/吉原朱美

Stage Information

ミュージカル『カーテンズ』

原作:ピーター・ストーン
脚本:ルパート・ホームズ
作曲:ジョン・カンダ―
作詞:フレッド・エッブ
追加歌詞:ジョン・カンダ―&ルパート・ホームズ
演出:城田優
翻訳・訳詞:福田響志

出演:城田優、菅井友香(櫻坂46)、三浦翔平、原田薫、岸祐二、中嶋紗希、宮川浩、瀬奈じゅん
中西勝之、米本学仁、高橋卓士 ほか

東京公演:2022年2月26日(土)〜3月13日(日) 東京国際フォーラムホールC
大阪公演:2022年3月18日(金)〜3月22日(火)新歌舞伎座
愛知公演:2022年3月26日(土)〜27日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール

【Story】

舞台は1959年のボストン・コロニアル劇場。
新作ミュージカル「ロビン・フッド」はブロードウェイに向けトライアウト公演の真っ最中。
主演女優のジェシカは才能は無いのにプライドだけは高く、評判が悪かった。
そんななか、公演初日にジェシカが舞台上で何者かに殺害されるという事件が発生した。

駆けつけたミュージカルオタクの警部補、フランク・チョーフィー(城田優)は事件の解決を急ぎながらも、その舞台作品が気になりはじめ、事件同様に舞台の内容に首を突っ込みはじめる。

新人女優のニキ(菅井友香)、看板俳優のボビー(三浦翔平)、作詞家のジョージア(瀬奈じゅん)、作曲のアーロン(岸祐二)、プロデューサーのカルメン(原田薫)、カルメンの娘で女優のバンビ(中嶋紗希)、演出家のべリング(宮川浩)など、出演者、スタッフ全員が容疑者!?
というなか、第二の殺人事件も発生。
犯人はいったい誰なのか…

<公式ホームページより>

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