アンニョンハセヨ! 加藤和樹です。
韓国に興味津々の僕による連載コラム、加藤和樹の『#だからKOREA』にようこそ! 9月3日にBS松竹東急で放送された韓国ロケ番組『加藤和樹と愛希れいかの韓国演劇旅~大学路とグルメ&ビューティー~』をご覧くださった方も多いと思いますが、この収録のために久しぶりにソウルを訪れることが出来ました! コラム7回目は、今年7月に3年ぶりに韓国を訪れた際の、番組収録での思い出(エピソード)を綴っていきたいと思います。
いや~率直に言って最高でしたね! ただ、繁華街の明洞(ミョンドン)などはやはり閉店が多く、街のいたるところにコロナの影響を感じたんですが、それでも観光客の少ないなか、働いている人たちはとても活気にあふれていて、ホテルの人もすごくあたたかく歓迎してくださって。僕らは安心して、とてもいい時間を過ごさせてもらいました。
大学路にて。(写真左から)キム・テイさん、愛希れいかさん、加藤和樹さん Siva
※キム・テイさんが韓国ミュージカル界のスターやクリエイターにインタビューした「Korean Musical Books」が10月28日発売されます。詳細は本記事後半のinformationコーナーへ
まずは、やっと念願の演劇街、大学路(テハンノ)を訪れました。想像していた以上にすごかった! 演劇、ミュージカルがしっかりと街に根付いているのを強く感じることが出来ましたね。前回のコラムの韓国語レッスンでお世話になったキム・テイさんに大学路を案内していただいたんですけど、普通に歩いていたら単に若者に人気の街という印象だけど、実はここも劇場、あそこも劇場~といった具合に160もの小劇場が隠れるようにひしめいていて、劇場探しが楽しい街歩きでもありました(笑)。街のランドマークであるマロニエ公園にチケットセンターがあって、そこに芸術資料館があったんですよね。台本、関連図書、上演DVDなどミュージカルの歴史を勉強出来るような資料が無料開放されているんですよ。これは日本でも日比谷あたりにあったらいいだろうな~と思いましたね。本当に、ここに来れば誰もが気軽に演劇、ミュージカルに触れられるって素晴らしいことだなと。そうそう、課外授業なのかな? 中学生たちの集団も見かけましたね。
「死の賛美」が上演されていた劇場「TOM」
せっかくなので小劇場で何か観劇出来たらよかったのですが、スケジュールの都合で残念ながらそれは叶わず。でも、当時上演中だった人気ミュージカル『死の賛美』の劇場の中に入らせてもらいました。舞台と客席の一体感、その雰囲気は下北沢の小劇場に似たものがありましたね。でもあれだけの数…、160もの劇場があるということは、それだけ役者さんもいるということじゃないですか。作品数もそうだし、オリジナル作品も多いし…。街全体にみなぎる、創造するエネルギーの強さをものすごく感じましたよね。
訪問した時の『死の賛美』で主演されていた俳優さん、ジン・テファさんにインタビューさせていただいたんですが、テファさん、日本語がメチャクチャお上手でしたね。そんなところも刺激を受けずにはいられなかった。やっぱり言葉の壁がクリアになるだけで、急速にお互いの距離が近くなるなと。自分ももっと頑張らなきゃ!と再び奮起(笑)。韓国の役者さんの何でも吸収しようとする向上心、ハングリーさは度々感じていて、自分が楽しく、気持ちよく仕事するためには何が必要か、どういう環境に自分の身を置くべきかをしっかり考えて行動されているように思います。
そして、以前イベントでご一緒した、KAIさんにも大学路で再会出来ました! 昨年秋の韓国観光公社のイベントではリモートでのおしゃべりだったので、その時のゲストであり、今回の旅の同行者でもある愛希れいかさんはとても喜んでいました。もちろん僕も心から嬉しかったです! 韓国ミュージカル界のトップで活躍されているKAIさんと、こうして直にお会いして意見交換が出来るって、なんて贅沢な時間なんだろう…と。KAIさんからは、ご自身が大学路の舞台に立った時や、公演観光フェスティバル『ウェルカム大学路』の広報大使をされた時のお話などを伺いました。また、舞台に立つ時の心構え、さらに、忙しい中でも心を落ち着かせる時間をちゃんと作る、そういった切り替えの大切さもお話してくださって。耳に心地よく響くKAIさんの声を聞きながら、僕も自分自身に置き換えて考えましたね。ちゃんと自分をリラックスさせること、いったんオフにする時間を作ることを忘れずにいよう、結果としてそれが歌に、作品作りに大きく影響してくるんだなと。いい刺激をいただいた、本当に嬉しい再会でした。
KAIさんとお会いした大学路のカフェが、韓屋の古民家みたいなとてもオシャレなお店でしたね。ほかにも居心地のよさそうな、入ってみたくなるカフェがいっぱいありました。次はもっとゆっくり、小劇場で観劇してカフェでスイーツも食べて……と野望は膨らむ(笑)。そうだ、今回初めてソウルでパッピンス(小豆かき氷)を食べましたよ! 韓国のパッピンスは氷自体に味があるのを知りました。ミルク味かな? だから味が薄くならないらしい。グルメももちろん堪能して……と話は尽きないけれど、今回はここまで! 次回のコラムでも引き続き、韓国旅の感想をいっぱいお伝えしたいと思います。お楽しみに!
聞き手/上野紀子(演劇ライター)
加藤和樹(KATO KAZUKI)
2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、2006年4月Mini Album『Rough Diamond』でCDデビュー。毎年CDリリースや単独ライブ、全国ライブツアーを実施するなど、音楽活動を精力的に行っている。2009年韓国、台湾、中国でCDデビューを果たす。俳優としてはドラマ・映画・舞台のほか、ミュージカルや声優としても活躍している。2023年1月ミュージカル『キングアーサー』、7月9月ミュージカル『ファントム』でふたたびファントム役に挑む。第46回(2020年度)菊田一夫演劇賞受賞。
WOWOW「加藤和樹のミュージックバー『エンタス』」でMCを務める。詳細はWOWOW公式サイトへ
Information
「Korean Musical Books」10月28日発売開始!
韓国ミュージカル界のスターや、業界を牽引するプロデューサー、人気作の脚本家や作曲家らクリエイターら12人に
キム・テイさんがインタビュー! 韓国ミュージカル界を支える彼らの創作への熱い思いが明らかに。
★加藤和樹さんのインタビュー(見開き2P)も掲載!
「Korean Musical Books韓国で楽しむミュージカル」
(新見工房、定価1,300円税別)
※10月28日からAmazonで購入可能
詳細はAmazon公式サイトへ