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INTERVIEW

愛希れいかさん▷再び大好きな『エリザベート』の世界へ「さらに挑戦を続けます!」

大ヒットミュージカル『エリザベート』がまもなく待望の幕を開けます。2019年公演に続いてタイトルロール(花總まりさんとのダブルキャスト)を担う愛希れいかさんに、あらためて作品にかける思いをたっぷりと伺いました。また、久しぶりに実現したファンミーティングや韓国旅行、ドラマ出演など、この夏の大活躍についても楽しく可愛く♪語っていただきました!

――ミュージカル『エリザベート』の2022年公演がいよいよ10月9日に開幕します。初日を前にした今の心境から伺えますか?

前回予定されていた2020年の公演がすべて中止になり、お客様にお届けすることが出来なくて残念な気持ちにさせてしまったことが……、コロナ禍なので仕方のないこととわかってはいても、全公演中止という事態を経験したことがなかったので、すごく悔しかったんですね。今年の再演が決まった時は、お客様にお届け出来る!という嬉しい気持ちでいっぱいになりました。自分にとってもすごく思い入れのある、大好きなエリザベートの役にもう一度挑戦させていただけることが幸せです。作品のファンであり、エリザベートという人物のファンでもあるので、身の引き締まる思いもありますね。

――愛希さんは宝塚歌劇団での退団公演(2018年)でエリザベート役を演じ、退団後の初舞台となった東宝版『エリザベート』(2019年)で再びタイトルロールを演じられたことも話題となりました。当時、どんな違いや驚きを実感されたのでしょうか。

そうですね。作品のベースは変わらないのに、いろんなことを新鮮に感じました。もちろん演じる人による違いもありますが……、私自身にまだまだ力が足りないな…と痛感して2019年の公演を終えたように思います。いろいろと違いを感じてはいたんですけど、その違いをはっきりと実感する間もなく、とにかく必死に取り組んでいたんですよね。そこで自分の多くの課題に気づきました。2020年の時に稽古はさせていただいていて、そこで挑戦したことがたくさんあったので、それも含めて今回、さらに稽古で挑戦を重ねて、いい作品をお届け出来たらいいなと思っています。

――エリザベートという人物を演じるにあたって、愛希さんが一番大切に考えていらっしゃることとは?

自分を貫き、精一杯生きた人なので、やっぱり演じていると苦しいんですね。うまく言えないのですが、つねに圧力鍋の中にいるみたいな…、幼少期以外はず~っと何かに押さえ付けられているような人生だったと思うので、演じるにはかなり精神力を必要とします。それでもまだ頑張って生きようとしている彼女の姿、真っ直ぐ生きるエネルギーみたいなものがお客様に届きますように…と、いつも舞台前に精神統一をしながら思いますね。そのエネルギーを受け止めていただき、「明日も頑張って生きよう」といった思いに繋がったらいいなと、本番前はいつもそう願っています。

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――カーテンコールでの、舞台奥にスーッと出られて後ろ向きにスタンバイされている姿が毎回印象的なんですが、あの時はどんな心境でいらっしゃるのでしょうか。

そうですね。正直なことを言うと、あの時は早変わりをしなくちゃいけなくて、精一杯早く着替えて、いろいろと直して出ていくのでやはり必死な状態です(笑)。宝塚時代には、自分が一番最後に挨拶することってほぼなかったんです。トップさんがいらっしゃって、私は最後から二番目のことが多くて。なので2019年公演の初日は、あまりにも緊張して、人生で初めてカーテンコールで手が震えました(笑)。全員に迎えられる、それだけの責任があるんだな…というふうにも感じて。だからあの時は……何とも言えない気持ちですね。ちゃんと人生を生きた後、という気持ちもありますし、お客様への感謝もありますし、いろんな思いでいます。

――8月7日に開催されたファンミーティングにお邪魔したのですが、『愛と死の輪舞』を歌ってくださいましたね。選曲の理由は?

皆さんにお伺いしてみた時に、『私だけに』を歌ってほしいというリクエストが多かったんですね。ただ、『私だけに』は本番の舞台で聴いていただきたいなと思ったので、『エリザベート』の中から選ぼう…と考えた時に、男性の曲をカバーしてほしいという声も意外に多かったんです。それで、イベントならではかな…と思って『愛と死の輪舞』を歌いました。でもやっぱり、1ミリもトートになれなくて全然ダメでしたね(笑)。

――素敵でしたよ! ファンミーティングをやってみての感想はいかがでしたか?

宝塚時代はファンの方との距離がとても近くて、ああいった時間を取ることが多かったんです。でも退団後はなかなか時間が取れず、またコロナという状況もあったので、8月のファンミーティングは本当に久しぶりに皆さんと対面出来たひとときでした。まだまだ安心出来ない状況のなかを来てくださったことにすごく感謝していますし、応援してくださる方々がいらっしゃることを実感出来て、その度に、この皆さんのために頑張りたいなとあらためて思いました。

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――そして! ファンミーティングでもお話しされていましたが、久しぶりに韓国に行かれたんですね。いろんなお話を伺いたいですが、まず第一の目的は韓国の『マタ・ハリ』鑑賞でしょうか。

はいっ(笑)! 3年ぶりに韓国に行けたんですが、『マタ・ハリ』はずっと観たいと思っていても観られなくて、私は生の舞台を観ずにマタ・ハリを演じたんですよね。それをとうとう…! 今回、韓国で観た再演はまた新しいバージョンになっていましたが、とにかくコロナ禍なのに観られたことが奇跡だなと! 憧れのオク・ジュヒョンさんが演じるマタを目の前にして、そのものすごいパワーに心を鷲掴みにされてしまって…。涙が止まらなくて、本当に立てない、歩けないくらいに号泣しちゃったんですね(笑)。あの会場の中で一番泣いていた自信があるくらい、感情が涙となって出て来ました。韓国語だけど、作品の持つエネルギーがしっかりと伝わって……、本当に観られてよかった、私は運がいいなと思いました(笑)。

――そして号泣のままに(笑)、オク・ジュヒョンさんにお会いしたそうですね。

もう~本当に泣いちゃって、ちゃんとお話も出来なかったんですけど(笑)。ジュヒョンさんみたいに歌えたらどんなにいいだろう…ってずっと思っていたんですよね。声が素晴らしいだけじゃなく、感情がしっかりと伝わって来るんです。本当にカッコいいなと。小学生の時に「舞台に立ちたいな」って思った時と同じ感覚を思い出させてくださった、夢を与えてくださった方なので。今回お会いして、う~ん、存在しているんだな……なんて、もう本当にタダのファンですね(笑)。この人と同じ役を演じているんだ…とか、いろんな感情が押し寄せて来て…、夢のようでした。

――昨年秋に開催された韓国観光公社のイベント(『#だからKOREA 韓国ミュージカルの魅力探訪』)にトークゲストで登場された際に、もしオク・ジュヒョンさんにお会い出来たら「どうやって声を出しているんですか?と聞きたい」とおっしゃっていたのを覚えていますか? 質問されましたか?

そんな、質問をするとかそういったすべてがもう、無ですっ!(一同笑)そういうことを考える余裕がホントになくて。感動で手一杯で、それどころじゃなかったです(笑)。でも、「いつか歌を習いたいです」っていうことは伝えました。

――さらに羨ましいのは、韓国『エリザベート』の稽古場を見学されたとか。どんな様子でしたか?

皆さん、パワフルですごかったです! そして、とても楽しんで稽古されていましたね。『エリザベート』の稽古場って私の印象では、宝塚も東宝も、とてもストイックで緊張感のあるイメージなんですね。韓国の稽古場は、緊張感がありながらも上手に切り替えている印象でした。皆さんパッと明るく和気あいあいにしていたかと思えば、稽古が始まったら集中力とエネルギーがすごい! 貴重な経験をさせていただきました。

――また、ついに演劇街・大学路に行かれたとか。いかがでしたか?

今回初めて訪れて、私は大学路の魅力を本当に知らなかったな、って。こんな身近に、演劇に触れられる素敵な場所があるなんて…!と驚きが大きくて。日本の皆さんも、おそらくまだ知らない方は多いのではと思うので、ぜひ訪れていただきたいですね。

――グルメやショッピングも楽しめましたか?

はい、韓国料理は大好きなので、食べたもの全部美味しかったです(笑)。今回、韓国で初めてソルロンタンを食べたんですけど、本場のものはこんなに美味しいのか!と思いましたね。お買い物は、とりあえずコスメを必死でカゴに入れました(笑)。韓国コスメに関しては、結構自分の中で「アレがいい」と評価しているものがいくつかあるので、しっかり買って来ました。

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――韓国旅をすっかり満喫されたようで、本当によかったです。愛希さんは、8月に放送されたドラマ『アイドル』(NHK)への出演も話題となりましたが、映像でのお仕事で意識されていることは?

瞬発力が必要とおっしゃる方が多いですが、私も本当にそう感じます。稽古を積み重ねて舞台に立つこと、そればかりをやっている者としては、一回の撮影で完成度の高いものを表現したり、またいろんな角度から撮る場合には毎回同じレベルのものを表現する、そういった実力が必要とされますよね。リハーサルで感情を全部出してしまって、次の本番では上手くいかなかったな…といった反省もありました。どこでエネルギーを出すか、自分自身を調節していくことも難しいなと感じています。あの作品はエンターテインメントをお届けしている身として、より共感する部分が多かったので、私もすごく感動しましたし、関わることが出来て嬉しかったですね。

――さまざまな活躍を経ての、再びの『エリザベート』に期待が集まります。最後に、ご自身の今後の目標とされていることを教えてください。

まずは『エリザベート』を完走したいという気持ちでいっぱいです。しっかり体調を整えて、とにかく健康で頑張っていきたいですね。そして『エリザベート』の後も、いろんなことに挑戦し続けていきたいと思っています。あと、韓国語を話せるようになって、いつかジュヒョンさんとちゃんと会話出来るようになりたいです(笑)。

――昨秋のイベントでご一緒した加藤和樹さんも、マチ★ソワのご自身のブログで韓国語レッスンに挑んでいらっしゃいました。競争ですね(笑)。

はい、私のほうが遅いスタートですけど、追いつくくらいの勢いで頑張りたいと思います!

取材・文/上野紀子
撮影/吉原朱美

ヘアメイク/杉野智行(NICOLASHKA)
スタイリスト/山本隆司(style)
衣装/トップス ¥49,500、スカート ¥53,900
共に、ポロ ラルフ ローレンTEL0120-3274-20



愛希れいか(MANAKI REIKA)

2009年、宝塚歌劇団95期生として入団。2011年に娘役に転向したのち、2012年月組トップ娘役に就任。『ロミオとジュリエット』で大劇場お披露目を果たす。2018年、ミュージカル『エリザベート』のエリザベート役をもって宝塚歌劇団を退団。退団後は、ミュージカル『エリザベート』、『ファントム』に出演。2020年9月~10月『フラッシュダンス』で単独主演を果たす。2021年1月にミュージカル『イリュージョニスト』にソフィ役で出演。2021年6~7月、『マタ・ハリ』で主演、マタ・ハリ役に挑み好評を博した。2022年10月〜2023年1月ミュージカル『エリザベート』でエリザベートを演じる。韓国コスメを愛用し、自身のInstagramで頻繁に紹介している。

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Stage Information

ミュージカル『エリザベート』

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脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞:小池修一郎
製作:東宝

出演:
エリザベート:花總まり、愛希れいか
トート:井上芳雄 / 山崎育三郎、古川雄大
フランツ・ヨーゼフ:田代万里生、佐藤隆紀
ルドルフ:甲斐翔真、立石俊樹
ルドヴィカ / マダム・ヴォルフ:未来優希
ゾフィー:剣幸、涼風真世、香寿たつき
ルイジ・ルキーニ:上山竜治、黒羽麻璃央 ほか

公演日程:
東京公演/帝国劇場 2022年10月9日〜11月27日
愛知公演/御園座 2022年12月5日〜21日
大阪公演/梅田芸術劇場メインホール 2022年12月29日〜2023年1月3日
福岡公演/博多座 2023年1月11日〜31日

公演公式サイトはこちら

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