大ヒットミュージカル『エリザベート』が2025年~26年、東京、北海道、大阪、福岡で上演されます。タイトルロールには初めての挑戦となる望海風斗さん、明日海りおさん、トート役をトリプルキャストで務める古川雄大さん(全公演地)、井上芳雄さん(東京公演)、山崎育三郎さん(北海道・大阪・福岡公演)、演出・訳詞の小池修一郎さんが9月18日、東京都内で開催された記者会見に臨みました。

オーストリア皇妃エリザベートの悲劇的な生涯を描く本作は、1992年にウィーンで初演。日本では1996年に宝塚歌劇団が初演、2000年には東宝版も上演されました。今回は東宝版の上演25周年という節目の公演となります。

この会見で初めてビジュアルが披露され、望海さんは「いま初めて皆様の目に触れたと言うことでちょっとドキドキはしたんですけど、いよいよ始まるんだなということをいまここで感じました」、明日海さんは「エリザベートという作品について、みなさんが思われる美しい姿になるべく近づけるように、スタッフの方々といろいろ相談して作ったビジュアル。無事にお披露目することができて良かったなと思います」と感慨深げ。

また、自身の役については「エリザベート役として紹介していただいて、ここにいるということが今でもちょっと不思議な感じがするのですが、これから初日まで一つ一つ丁寧にエリザベートの役を作り上げていきたい」(望海さん)、「本当に私もまだまだ信じられていないところではあるけれど、とにかくいっぱい、それ以上のつもりで挑んでいきたい」(明日海さん)と意気込みました。

2000年の東宝版初演から演出を手掛けてきた小池さんは、「25周年だが、古びたものをご覧いただくのではなく、新たなエリザベートという作品の進化というものを感じていただけるんじゃないかなと思っている」と自信をみせました。「近年、映画や配信などで、エリザベートをモチーフにした新たな映像作品が制作されている。いずれもリアルでちょっと辛口、真実味を帯びた作られ方をしている。そのような中でこのミュージカルについて考えると、グローバリズムに対する向き合い方が問われるこの時代、エリザベートその人が、単に皇室になじめなかったというだけでなく、一個人がどうやって社会なり世界なりといったものと向かい合っていくのかということを内包した物語だということが改めて見えてくる」としたうえで、新たなヒロインである望海さん、明日海さんに対して「女優としてのキャリアを積まれたうえで臨まれるので、そういうシリアスな新たな側面をお客様にスリリングに感じ取っていただけるのでは。一つベールがとれて、『あっ、そういう作品だったのか』ということを改めて感じていただけるのではないか」とその実力に期待しました。

3度目のトート役となる古川さんは「寝言で劇中の楽曲を歌っていた」というエピソードを明かして場を和ませながら、「改めてトートと向き合う中でこの役の難しさを痛感しているが、寝ている間も稽古しているのできっと大丈夫です!」と力強く宣言。

唯一の初演キャストである井上さんは「恐ろしいというか、道理でみんな僕に丁寧にしてくれるなという気はしている」とユーモアを交えつつ、「自分もまっさらな気持ちでまた皆さんにお見せできたら」と決意をにじませました。また、伊藤あさひさん、中桐聖弥さんという25歳のふたりが自身が初演で演じたルドルフ役に臨むことにふれ、「初演時に生まれたふたりが、新しい才能をみせてくれている」と語りました。

山崎さんは「望海さん、明日海さんの新しいエリザベートを稽古場で見ていると手ごたえしかない。『私だけに』のシーンでは稽古場が静まり返って、全スタッフとキャストがふたりにぐわっと集中して、思わず泣けてしまったほど」と早くも白熱している稽古の様子を明かし、「このエリザベートは本当に素敵になりますので、ぜひ皆さん、楽しみにしててください」とアピールしました。
そうそうたるキャストがそろった今回の公演。さらに進化した姿に期待です!






構成・文/塩塚 夢(産経新聞社)
撮影/吉原朱美
Stage Information
ミュージカル『エリザベート』



脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞:小池修一郎(宝塚歌劇団)
エリザベート:望海風斗/明日海りお
トート:古川雄大/井上芳雄(東京公演)/山崎育三郎(北海道・大阪・福岡公演)
フランツ・ヨーゼフ:田代万里生/佐藤隆紀
ルドルフ:伊藤あさひ/中桐聖弥
ルドヴィカ/マダムヴォルフ:未来優希
ゾフィー:涼風真世/香寿たつき
ルイジ・ルキーニ:尾上松也/黒羽麻璃央
マックス:田村雄一
ツェップス:松井工
エルマー:佐々木崇
ジュラ:加藤将
シュテファン:佐々木佑紀
リヒテンシュタイン:福田えり
ヴィンディッシュ:彩花まり ほか
公演日程
【東京】2025年10月10日(金)〜11月29日(土) 東急シアターオーブ
【北海道】2025年12月9日(火)〜18日(木) 札幌文化芸術劇場 hitaru
【大阪】2025年12月29日(月)〜2026年1月10日(土) 梅田芸術劇場 メインホール
【福岡】2026年1月19日(月)〜31日(土) 博多座