4月26日にデビュー19周年を迎えた加藤和樹さんに、マチ★ソワではSpecialインタビューを敢行。インタビュー<後編>ではニューシングル「Chocolate」についてスポットを当てて、加藤さんのホットで濃厚なお話をお届けします!
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6月11日にリリースされるニューシングル『Chocolate』を引っ提げて、加藤和樹が今年もライブツアー「Kazuki Kato Live “GIG” Tour 2025 ~STILL GO !~」を発進! ミュージカル俳優としての華々しい活躍とともに、彼自身のベースであるアーティストとしての立ち位置、その豊かな相互作用について今の思いをたっぷりと語った。
――ニューシングル『Chocolate』は甘党の加藤さんにピッタリなタイトルですが、コンセプトをお話いただけますか?
いつも大体、制作段階で数曲が上がってきた中から「リード曲はこれがいいね」と思った曲をシングルに選んだりするんですね。今回はこの『Chocolate』が一番ポップで、今の時代を生きる人の背中を押す、そんな応援ソング的な要素が詰まっているなと感じました。忙しくて心が疲れる毎日の中で、一粒のチョコレートみたいな癒しを与えられる曲になったらいいなということで、この曲推しでいこう!と決まりました。
――歌った感触はいかがでしたか?
久しぶりにこんな軽やかな曲を歌ったなと。途中でラップが入るなど、新鮮な感覚もありましたね。最近はミュージカルの舞台が続いていたので、久々にアーティストとして歌う楽しさを味わったように思います。
――カップリング曲の『Still Go!』では加藤さんご自身が作詞を担当されていますね。
この『Still Go!』は、今年のライブツアーのタイトル(「Kazuki Kato Live “GIG” Tour 2025 ~STILL GO !~」)を含めて先に決まっていまして、ライブに合う曲ということで「自分はまだまだいけるぜ!」という意味合いを込めて作った曲です。来年デビュー20周年を迎えるということもあって、まだまだここから!という思いも込めて歌詞を書かせていただきました。
――作詞の作業で意識することや、苦労されたことなどはいかがでしょうか。
時間は結構かかりますね。テーマが決まっていても、僕は言葉選びに時間がかかるタイプなので。そこにちゃんと物語性も欲しいし、いろいろなことを考えていくと毎回書いては書き直して……という作業になるんですよね。妥協することなく、一言一言に説得力を持たせたいと思っていて、それでいてあまり難しい言葉は使いたくない。よりシンプルで、ストレートに伝わる歌詞にしたい、いつもそう意識して書いています。『Still Go!』はとても疾走感のある曲に仕上がったなと思いますね。
――今回のニューシングルはType-A、B、Cの3形態でのリリースになっていて、カップリング曲は『Still Go!』のほか、AとBには昨年5月のライブ「Kazuki Kato Special Live “GIG” 2024〜Count Down KK 2〜」で披露した『Flaming ice』と、昨年6月に行った日本の名曲カバーを中心としたライブ「Kazuki Kato Concert Tour 2024〜Respection〜」からTHE BLUE HEARTSの『青空』が収録されています。Type-Cにはやはり「Kazuki Kato Concert Tour 2024〜Respection〜」から斉藤和義の『歌うたいのバラッド』、Original Loveの『接吻』を収録と、趣を変えてのリリースですね。(Type-Aは『Chocolate』MV+メイキングが収録されたDVD付き)
はい。その時代の空気に合うものだったり、自分が共感出来るものを……と考えて選曲しました。カバー曲に関しても、リスペクトを込めて自分が歌い繋いでいきたいと思う曲を、いつも選曲させていただき、歌わせていただいています。“今、届けたい”という思いをベースにして選んでいますね。

――ニューシングルのリリースとともに、6月から今年のライブツアーも始まります。ミュージカルや演劇舞台に引っ張りだこで多忙を極めながら、音楽活動もしっかりとご自身のライフワークとして確立させているところが素晴らしいですね。
はい、そこは絶やさないようにやらせていただいています。もともとアーティストとして活動したい思いが先行していたので、どんなに忙しくてもCDリリースやライブツアーはさせていただいていまして。最初の頃は、自分は歌う人間だからお芝居はそれほど……という気持ちもありました。でも今は表現者として、どちらも自分には必要不可欠な要素だと思っています。ただミュージカルは作品であり役であって、自分の思いを表現できる場所ではないので、自分の言葉で喋って歌うライブという場所はとても大切で、そこでしか得られないエネルギーがあるんですよね。お客様との交流も含めて自分の核となるものなので、そこはやっぱり譲れないですね。
――ミュージカルとライブでは発声、歌い方が明らかに違っていて、ご自身の中で無理なく切り替えていらっしゃるように感じます。
そこはもう、慣れですよね。最初は本当にミュージカルの発声が戻らなくて、言われるまで気づかないままレコーディングしたこともありました。以前は声のポジションをチェンジする難しさがあったけれど、今はミュージカルだから、ポップスだから、ではなくて、声の幅の表現はどちらにも使えると分かったんですよね。それが出来る喉になっていたので、今はそんなに苦労することはないです。
――ご自身の中にしっかりと蓄積されたものがある、ということですね。
本当に、どんな経験も無駄ではないなということは、身をもって体感しています。ミュージカルでも曲によってはロックナンバーっぽいものもあったりするし、自分の曲でも深めの声を出していろんな表情をつけるなど、お互いに良い作用をしていると感じています。
――ライブも、ロックでガンガンに駆け抜ける時もあれば、アンプラグドをテーマにする時もあったり、プラネタリウムで開催したりと、ご自身の実験の場として楽しんでいらっしゃるようにも思えます。
それもやっぱり、自分がさまざまな表現を出来るようになって来たというのが一番大きいですかね。10年前の自分だったら、ピアノやギター一本だけのライブなんて絶対に不可能でしたし。表現の幅が広がったからこそ、ライブの選択肢も増えてきたので。一番大切にしなければいけないのは、どうしたらお客さんに楽しんでいただけるかという点。年齢を重ねてライブのスタイルはこれからもどんどん変化していくので、都度その瞬間に寄り添っていければと思います。

――昨年40代を迎えられましたが、年齢による意識変化などは……とくになさそうですよね。
いえいえ、変わってますよ。今回、『フランケンシュタイン』に向けて体作りもしましたし。やっぱり以前に比べると、油断したらすぐに太ります(笑)。稽古中から食事の量を減らして、体形を少し細くして、筋肉質に見えるようにトレーニングもしました。体調管理という意味では、若い時よりは気を遣っていますね。野菜やフルーツを取るようにしたり、夜ご飯はなるべく早めに食べるとか。ラーメンも昔に比べれば全然食べてなくて、自分へのご褒美の時に食べるくらいです(笑)。
――自己管理も完璧ですね。ライブツアーの先、秋にはミュージカル『マタ・ハリ』再々演への出演も控えています。また初演の時のようにラドゥーとアルマン、二役を演じられるのは嬉しい驚きでした。
いや〜頑張ります(笑)。年齢的にアルマンはもう来ないかな〜と思っていたんですけど。前回の再演ではラドゥー役だけだったので、再演から観た方は僕のアルマンを初めてご覧になるわけですよね。今の自分で何が出来るのか、挑戦でもあるのですごく楽しみですね。
――今後のご活躍にも期待が募りますが、まずはニューシングル『Chocolate』をチェック必至ですね。あらためて、曲に込めた思いをお聞かせください。
今は「あれはダメ、これもダメ」と、いろいろ制限されることの多い時代になったなと感じるんですよね。それでもやっぱり、自分らしく進んでいきたいし、進んでいってほしい。ちょっと疲れた時にはひと休みして、自分の一番の目的を見つけて歩んでほしいなという思いがあります。忙しくしている人にこそ、この曲を聴いてホッと一息ついてもらえたら嬉しいですね。そしてライブではもうガンガンいきますから、ぜひ楽しみにしていてください!
取材・文/上野紀子(演劇ライター)
写真提供/アシスト
加藤和樹(KATO KAZUKI)
1984年10月7日生まれ。2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴びる。音楽活動を精力的に行い、2009年韓国、台湾、中国でCDデビューを果たす。俳優としてはドラマ・映画・舞台のほか、ミュージカルや声優としても活躍している。韓国ミュージカルの日本版『マタ・ハリ』や『フランケンシュタイン』『ジャック・ザ・リッパ―』に出演するなど、韓国ミュージカルに縁が深い。第46回(2020年度)菊田一夫演劇賞受賞。
2025年10月―11月にミュージカル『マタ・ハリ』で、4年ぶりの再々演で、ラドゥー役とアルマン役の2役を初演ぶりに演じることが発表された。
6月11日にニューシングル「Chocolate」がリリースされ、6月19日仙台を皮切りに全国7か所で「Kazuki Kato Live “GIG” Tour 2025 ~STILL GO !~」が行われる。
Information
「Kazuki Kato Live “GIG” Tour 2025 ~STILL GO !~」
【宮城】2025年6月19日(木)18:30 仙台darwin
指定席 7,700円、<U-22チケット> 指定席 3,850円
問い合わせ/ノースロードミュージック TEL022-256-1000
詳細は主催サイトへ
【東京】2025年6月30日(月)18:30 渋谷 O-EAST
1階指定席 7,700円、2階着席指定席 7,700円、 <U-22チケット> 指定席 3,850円
問い合わせ/ホットスタッフ・プロモーション TEL050-5211-6077
詳細は主催サイトへ
【愛知】2025年7月2日(水)18:30 名古屋 DIAMOND HALL
1階指定席 7,700円、2階着席指定席 7,700円、 <U-22チケット> 指定席 3,850円
問い合わせ/ZOOM TEL052-290-0909
詳細は主催サイトへ
【大阪】2025年7月3日(木)18:30 GORILLA HALL OSAKA
1階指定席 7,700円、2階指定席 7,700円、 <U-22チケット> 指定席 3,850円
問い合わせ/サウンドクリエーター TEL06-6357-4400
詳細は主催サイトへ
【広島】2025年7月5日(土)17:30 広島 CLUB QUATTRO
1階指定席 7,700円、2階着席指定席 7,700円、<U-22チケット> 指定席 3,850円
問い合わせ/キャンディープロモーション TEL082-249-8334
詳細は「キャンディープロモーション」サイトへ
【福岡】2025年7月6日(日)17:30 福岡 DRUM LOGOS
1階指定席 7,700円、2階着席指定席 7,700円、 <U-22チケット> 指定席 3,850円
問い合わせ/グリーンミュージック TEL092-775-2233
詳細は主催サイトへ
【神奈川】2025年7月9日(水)18:30 KT Zepp Yokohama
1階指定席 7,700円、2階着席指定席 7,700円、<U-22チケット> 指定席 3,850円
問い合わせ/ホットスタッフ・プロモーション TEL050-5211-6077
詳細は主催サイトへ
<ご案内事項:各地共通>
・ドリンク代別途必要
・未就学児童のご入場は出来ません(小学生以上チケット必要)
・<U-22チケット>22歳以下が対象 / 当日、身分証明書の確認あり
加藤和樹
ニューシングル
「Chocolate」
2025.06.11 Release
https://www.teichiku.co.jp/artist/kato-kazuki

Type A
価格:2,800円(税抜価格:¥2,545)
【CD】
1. Chocolate
2. Stil Go!
3. Flaming ice(CDKK2 Live ver.)
4. 青空 (Respection Live ver.)
※THE BLUE HEARTS カバー
【DVD】
「Chocolate」MV+メイキング

Type B
定価:¥1,700円(税抜価格:¥1,545)
【CD】
1. Chocolate
2. Stil Go!
3. Flaming ice(CDKK2 Live ver.)
4. 青空 (Respection Live ver.)
※THE BLUE HEARTS カバー

Type C
定価:¥1,700円(税抜価格:¥1,545)
【CD】
1. Chocolate
2. Stil Go!
3. 歌うたいのバラッド(Respection Live ver.)※斉藤和義カバー
4. 接吻(Respection Live ver.)※Original Love カバー