エンターテインメントで笑顔を繋げる!

COLUMN

加藤和樹さん、韓国版『ベルサイユのばら』初日観劇&記者会見に参加!▷歌の力に圧倒

日韓ミュージカル界の架け橋である加藤和樹さんが、7月16日にいよいよ韓国で世界初演を迎えたミュージカル『ベルサイユのばら』の初日を観劇しました。さらに、同日に行われた原作の池田理代子先生の記者会見にも、マチ★ソワを運営する産経新聞社の〝一日特派員〟として産経新聞社ソウル支局長とともに参加。加藤さんは、来年初春に公開予定の劇場アニメでフェルゼン役を務めることが発表されたばかり。加藤さんならではの視点で本作を語ってくださいました。

マチ★ソワWEBで韓国コラムを連載中の加藤和樹さん。大注目の「韓国ベルばら」世界初演の初日に、“夏休みでソウル滞在中”という加藤さん、やっぱり韓国ミュージカルにご縁がある御方です!
韓国ミュージカル『ベルサイユのばら』世界初演・初日のキャストボード。
オスカル/オク・ジュヒョン、アンドレ/イ・へジュン、ベルナール/パク・ミンソン、ポリニャック/リサ、ロザリー/チャン・へリン、ジェロ―デル/ソンヨン、ジェルジェ将軍/イ・ウスン、乳母/イン・ウンヨン、ド・ゲネメ/ソ・スンウォン

■2024 ミュージカル『ベルサイユのばら』 (Musical LA ROSE DE VERSAILLES)|オープニングナイトスケッチ

原作も、お姉さんの影響で以前から読んでいたという加藤さん。フェルゼンを演じるにあたり読み直されたそうで、「僕自身が、ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』で市民側を演じたこともあり、貴族も市民も、どちらの側の気持ちにも共感できました。そして、許されぬ愛を育んでいくアントワネットとフェルゼン。フェルゼンに惹かれるオスカルを見守りながら、ぐっと飲み込むアンドレの切なさ。どのキャラクターもとても魅力的でした。激動の時代の中で、みなが誰かのために命を懸けている。はかなくも美しい物語だなと」。

原作「ベルサイユのばら」より
©Ikeda Riyoko Production

そんな名作の韓国でのミュージカル化とあって、記者会見には多くの日韓のマスコミが駆けつけ、熱気にあふれたものとなりました。「ものすごく有名で、韓国でもファンが多い原作。世代を超えて愛されているのだと改めて感じました。僕自身も劇場アニメでフェルゼンを演じるほか、また『1789』でもフランス革命に身を投じたこともあり(笑)。ご縁のある原作なので、こうして盛り上がっていて、個人的にもすごくうれしかったです」と語ります。また、「演出(脚本・作詞)のワン・ヨンボムさんをはじめ、韓国側の長年の夢だった『ベルばら』のミュージカル化。池田先生も、憧れのオペラ歌手が韓国のご出身だったりと韓国とのつながりがあられた。日韓の関係者の思いがつながって、時を越えて叶った企画。心揺さぶられる会見でした」と振り返りました。

お休みのたびにプライベートで渡韓し、観劇や俳優さんとの交流などを重ねるなど、韓国ミュージカルを観劇されて約9年になる加藤さん。「なんでこんなに歌の表現力があるんだろうって。地力があるというか…。日本の切なさや繊細さも素晴らしいですが、韓国のダイナミックさ、エネルギーはまたすごい。規模感だったり、人を楽しませようというエンタメ性に強く惹かれています」。

ミュージカル『ベルサイユのばら』オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ/オク・ジュヒョン(写真提供/EMK Musical Company)
©Ikeda Riyoko Production

今回の「ベルばら」初演でも、主演のオスカルを務めるオク・ジュヒョンさんの歌声に注目しました。「『マタ・ハリ』や『エリザベート』など、ジュヒョンさんは女性らしいスタイルの似合う方だというイメージがありましたが、今回は歌い出しやセリフの第一声が、今まで聞いたことのない声だった。なんと力強く、凛々しいのかと。心からオスカルとして役を創り上げたうえでの力強さなんだなと思いました。本当にカッコよくて、美しかった。ご本人も強い女性ですし、素晴らしいマッチングだと思いました。芝居も、隊長のときは毅然としてるんですが、アンドレと話しているときだけは表情やセリフ回しが違うんですね。繊細な演技が素晴らしかったです」

ミュージカル『ベルサイユのばら』(写真提供/EMK Musical Company)
©Ikeda Riyoko Production
ミュージカル『ベルサイユのばら』
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ/オク・ジュヒョン(写真提供/EMK Musical Company)
©Ikeda Riyoko Production

約17億円を投じた豪華な舞台装置や、Brandon Leeさんによるドラマティックな楽曲にも感動したといいます。「Brandon Leeさんの曲は、とにかく歌唱のレンジがひろい。低いところと高いところの差がすごく、高いところはどこまでもあがっていく。オスカルの歌は、半音ずつあがっていくんですが、どこまで上がるんだと衝撃を受けました。

「♪お前は私に与えてばかり」|𝑂𝑠𝑐𝑎𝑟 𝐹𝑟𝑎𝑛ç𝑜𝑖𝑠 𝑑𝑒 𝐽𝑎𝑟𝑗𝑎𝑦𝑒𝑠 オク・ジュヒョン

感情をのせないと歌えない曲ばかりなんです。芝居に寄り添い、本当に気持ちが入っているからこそ、胸にズドンと来る。アンサンブルも素晴らしかったですね。人数が多いというのもあるんですが、厚みがすごかったですね。ミュージカルというよりは、オペラや音楽劇をみているような感覚でした。ずっと音楽が鳴っているイメージ。約2時間半と長さ自体はそこまでない作品なんですが、ものすごく濃く感じる。不思議な感覚でしたね」と、歌い手、演じ手ならではの視点を披露しました。

池田理代子さん
©Ikeda Riyoko Production

池田先生も、会見で「文化は双方の交流を重ねながら、互いにいい部分を影響しあい、つながり、広がっていくもの」とおっしゃっていました。加藤さんも、毎回、観劇のたびにひとつ持ち帰ることを意識しているといいます。「今回も、やっぱり、歌ですかね…。どうしたらああいう風に歌えるようになるのか。言語が違うというのもあるのですが、日本語でもああいう表現ができる方法がないのかと。そういう方法を模索するのも、ひとつの楽しみ。いつか、日本で上演される日が来るとき、準備できることがないかと意識しながら、いつも観劇してしまいます」

今回は、約1か月の長期休みを利用して渡韓しているという加藤さん。「ホテルではなく、マンションを借りて…。ゴミの分別から出し方、スーパーの場所など生活の違いを教えてもらってます(笑)。まだまだ知らないことばかり。新しいことを学ぶというのは刺激になりますね。ミュージカルも正確に理解できるよう、韓国語ももっと上達したいです。

原作の池田先生は会見で初めてお会いしましたが、本当にチャーミングで素直で飾らない、少女のようなピュアな方でした。47歳で音大に入学されたりと、自分の中の『挑戦したい』という気持ちにまっすぐでいらっしゃる。だからこそ、いつまでも若々しくお元気なんだなと。やりたいことがあるという気持ちが人を突き動かす。自分もこうありたいと思いました」

聞き手・構成/塩塚 夢(産経新聞社)
取材協力/EMK Musical Company、池田理代子プロダクション、テレビ朝日サービス
舞台写真提供/EMK Mucsical Company

【関連記事】
「ベルばら」が韓国でミュージカルに 日本の懐かし文化が新たなブーム
(産経新聞ソウル支局長/桜井 紀雄)
記事は産経ニュース

【予告】
コラム『加藤和樹のテダム』Vol.3は、イ・へジュンさんをゲストにお迎えします!
へジュンさんは、ミュージカル『ベルサイユのばら』世界初演でアンドレ役を演じ、ミュージカル『フランケンシュタイン』10周年記念公演で怪物/アンリ役を初めて挑まれるという…。そして、今年2月には、ミュージカル『マリー・アントワネット』でフェルゼン役を演じています。
加藤さんと意気投合した対談は、8月上旬頃、公開予定です!お楽しみに♪

撮影/キム・ジヒョン

加藤和樹(KATO KAZUKI)

1984年10月7日生まれ。2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴びる。音楽活動を精力的に行い、2009年韓国、台湾、中国でCDデビューを果たす。俳優としてはドラマ・映画・舞台のほか、ミュージカルや声優としても活躍している。韓国ミュージカルの日本版『マタ・ハリ』や『フランケンシュタイン』『ジャック・ザ・リッパ―』に出演するなど、韓国ミュージカルに縁が深い。第46回(2020年度)菊田一夫演劇賞受賞。
舞台『裸足で散歩』が9月27日大阪公演を皮切りに、11月まで東京ほか全国で再演が決定。ニール・サイモン脚本のハートフルコメディにふたたび挑む。また、2025年1月に上演するミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』でラウル・シャニュイ子爵役を演じることが発表になった。

  • ico_website.svg
  • ico_twitter.svg
  • ico_instagram.svg

Stage Information

韓国ミュージカル『ベルサイユのばら』

原作:池田理代子
総括プロデューサー:オム・ホンヒョン
プロデューサー:キム・ジウォン
劇作・作詞・演出:ワン・ヨンボム
音楽監督:イ・ソンジュン
作曲:Brandon Lee
製作:EMKミュージカルカンパニー

【キャスト】
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ(トリプルキャスト)/オク・ジュヒョン、キム・ジウ、チョン・ユジ
アンドレ・グランディエ(トリプルキャスト)/イ・へジュン、キム・ソンシク、コ・ウンソン
ベルナール・シャトレ(トリプルキャスト)/パク・ミンソン、ソ・ヨンテク、ノユン
ポリニャック夫人(トリプルキャスト)/ソ・ジヨン、リサ、パク・ヘミ
ロザリー・ラ・モリエール(ダブルキャスト)/ユ・ソリ、チャン・へリン

【公演期間】
2024年7月16日(火)~10月13日(日)

【劇場】
韓国ソウル・忠武(チュンム)アートセンター 大劇場
※劇場紹介サイト「韓国コネスト」 

※産経新聞社では、7月27日(土)から韓国ミュージカル「ベルサイユのばら」8月~10月公演のチケット販売を実施します!

韓国版「ベルばら」チケット
イープラスで販売中!
詳細はコチラをClick!

Information

©池田理代子プロダクション

「誕生50周年記念 ベルサイユのばら展 ―ベルばらは永遠に―」神戸展

会 期:2024年8月21日(水)~9月2日(月)
営業時間:午前10時~午後8時 ※最終日は午後5時終了。入場は終了時間の30分前まで
会 場:神戸阪急 本館9階 催場(兵庫県神戸市中央区小野柄通8丁目1-8)
主 催:神戸阪急、産経新聞社
後 援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
協 力:池田理代子プロダクション、(株)集英社、(株)トムス・エンタテインメント
企画協力:メイプル
入場料:一般・大学生 1,300円(前売り1,100円) 高校・中学生 900円(前売り 800円)
※小学生以下は無料
※料金はすべて税込
※障がい者手帳をご呈示いただいたご本人様、ならびにご同伴1名様まで入場無料

前売券の購入はコチラをClick!

展覧会公式サイトはこちら

RECOMMEND

NEW POST

東啓介の聴活♪
加藤和樹の#だからKOREA
PAGE TOP
error: