宝塚歌劇星組東京公演が東京宝塚劇場(千代田区)で上演中です。
「政界コメディ『記憶にございません!』-トップ・シークレット-」(潤色・上演台本・演出/石田昌也)と「カルナバル・ファンタジア『Tiara Azul-Destino-(ティアラ・アスール ディスティーノ)』」(作・演出/竹田悠一郎)の2本立てで、12月1日の千秋楽をもってトップ娘役、舞空 瞳は退団します。
「記憶にございません!」は劇作家、三谷幸喜の8作目の映画(令和元年公開)が原作。中井貴一が主演し、三谷映画の中でもウエルメードな1本です。東京公演は衆議院の解散総選挙と時期が重なったのが面白い。また、三谷監督の最新作「スオミの話をしよう」も全国の映画館で上映中ですね。
「記憶にございません!」は、国会で「記憶にございません!」という答弁を繰り返し、史上最低の支持率を記録した黒田啓介首相が、演説中に受けた投石で記憶をなくしたことから起こる騒動を描きます。
記憶をなくす黒田首相にトップスター、礼真琴。夫に愛想を尽かして秘書官に心を向けている妻の聡子に舞空。
記憶をなくしたことで政治家としての初心に立ち返り、妻への愛を思い出す黒田首相。その決断と行動を、よりシンプルに描くのが、この石田版の特徴でしょうか。
映画では最後まで秘匿したある重要な事実を途中で明示し、大団円の場面を最後にもってくるのも舞台ならではのアレンジなのでしょう。
だからこそ映画を知っている人も、その違いを楽しみながら観劇できるというわけです。
■Exciting Stage Photo「1」
【From Photographer】
幕開けの第一場A「政治不信の国民」は、フランス革命を扱った作品における市民と貴族の対立をイメージしたものだそうで、なるほど宝塚らしいオープニングとなっています。
この写真は、それに続く第一場B「政治は数字だ!」です。支持率最低の黒田内閣の傲慢さをダンスで表現します。
Photo/石井 健(産経新聞社)
Stage Information
宝塚歌劇星組 東京宝塚劇場公演
政界コメディ『記憶にございません!』
-トップ・シークレット-
原作/映画「記憶にございません!」 ©2019フジテレビ 東宝
映画脚本・監督/三谷 幸喜
潤色・上演台本・演出/石田 昌也
カルナバル・ファンタジア『Tiara Azul -Destino-(ティアラ・アスール ディスティーノ)』
作・演出/竹田 悠一郎
出演:宝塚歌劇団 星組/礼 真琴、舞空 瞳、ほか
会場:東京宝塚劇場
公演期間:2024年10月19日(土) ~12月1日(日)